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■オスプレイは未亡人製造機
垂直離着陸輸送機MV22、通称オスプレイは現在、沖縄県普天間基地と山口県岩国基地に配備され、今後横田基地へも配備され、全国6ルートでの飛行訓練が行われようとしています。また、自衛隊も購入をするとしています。
そのオスプレイが 5月18日、米ハワイ州オアフ島のベローズ空軍基地で、墜落・炎上事故を起こしました。乗員2名が死亡、20人が負傷する大惨事となりました。今回の事故は通常訓練中に起きていて、いつ市民の頭上に墜落してもおかしくないことを改めて露呈しました。
オスプレイは、両翼にプロペラがついており、離発着時はヘリコプターのように垂直に上下することができ、上空でプロペラが前に向き直り水平飛行ができます。
このオスプレイはハワイの事故以前に、試作段階で4回墜落、30人が死亡。実戦配備された2010年4月にアフガニスタンで着地に失敗し4人が死亡、ことし4月にはモロッコで演習中に墜落し2人が死亡、そして、2012年6月13日にもフロリダ州で訓練飛行中に墜落し5人が負傷し、「未亡人製造機」と言われるほどの欠陥機です。
■オートローテーションシステムがないオスプレイ
なぜこんなに事故が多いのかということについて、専門家はヘリモードから飛行機モードへの切りかえがうまくいかないことを指摘していますし、また、オスプレイの技術評価を担当したアメリカの分析官は、オートローテーション機能が欠如し、人命軽視の軍用機だと米下院の公聴会で証言しています。
オートローテーションとは、万が一プロペラが故障しても落下するときの風圧によってプロペラが回り、落下速度を緩和する機能です。このオートローテーション機能がなければ自衛隊機であっても日本の航空法では飛行を禁じています。しかし、日米地位協定で航空法の適用が除外されているため飛行することができてしまうのです。このほか、離着陸時の騒音の大きさ、エンジン熱の高温、低周波の問題もあります。
■オスプレイの天敵はオスプレイ
2012年7月末に、日本自然保護協会が、絶滅危惧種のイヌワシやクマタカ、ライチョウなど希少な鳥の生息地がオスプレイの低空飛行訓練を行うルートと重なっていることから、騒音などの影響で絶滅の危機に一層追いやられると警告をしています。
そこで、長野県の鳥でもあるライチョウの生態研究の第一人者である信州大学教育学部生態学研究室の中村教授に問い合わせたところ、ライチョウもさることながら、イヌワシやクマタカも音に敏感であるとお話をしてくれました。
特別天然記念物のライチョウは、2012年8月に絶滅危惧種のⅡ類からⅠB類へと見直され、国の事業としてライチョウ保護、増殖が行われることとなっています。
また、国有林や民有林においては、イヌワシの保護を目的に、産卵、子育て期には森林の間伐などの施業は行っていません。ライチョウや猛禽類の保護の観点からもオスプレイの飛行訓練を許してはなりません。
また、オスプレイという名前は実は希少動物に指定されている猛禽類のミサゴのことです。イヌワシやクマタカはライチョウの天敵になっているんですが、オスプレイがそのイヌワシやクマタカ、ミサゴの天敵になるという皮肉なことになります。
■役立たずのオスプレイの配備、飛行訓練に反対を
過去に米軍機の墜落事故を経験している高知県知事は、オスプレイの配備、飛行訓練に強い懸念を示しています。既に沖縄では、県を含むすべての自治体がオスプレイの配備の中止を決議し、政府に要請もしています。
米軍基地の75%が沖縄に集中し、中でも世界で一番危険な基地としてアメリカ自身も認めている普天間基地に、さらに危険なオスプレイが配備されていること自体が大きな問題です。2004年8月、沖縄国際大学に墜落した事故、日常的に離発着訓練で繰り返される殺人的な騒音、爆風やエンジン熱被害。オスプレイの配備そのものが問題だと言っていかなければならないと思います。
長野県においても、過去に米軍機の超低空飛行訓練により、民間ヘリとのニアミス、牛の乳が出なくなった、窓ガラスがびりびりと震えた、散歩中の保育園児が泣き出したなどの被害、苦情が寄せられてきました。加えて、極めて危険なオスプレイの飛行訓練は県民生活に不安をもたらすものであり。オスプレイの配備、及び飛行訓練を止めるべきである。