リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

バロック・リュートの入門書

2008年03月19日 23時46分16秒 | 音楽系
最近新しくリュート教室の生徒になった方(なる予定の方)はバロック・リュートの方ばかりです。それも初めての方がほとんど。以前の生徒でひとりだけバロック・リュートから入った人がいましたが、あくまでも例外だろうと思っていました。今ウチの教室ではバロック・リュートがブームなんです。(笑)

昔、例えば1700年頃のライプチヒとかウィーンあたりでリュートを習いたいということになれば、そのリュートは多くの場合、バロック・リュートであったでしょう。7コースのルネサンス・リュートという線はまずなかったと思います。もっともこのころは既にリュート人口は16世紀頃に比べたら見る影もなく減ってはいたと思いますが、それでも今より多かったんじゃなかったかと思われます。きっと皆さん悪戦苦闘されてたんじゃないでしょうか。

もともとリュートのための教育的意図がある作品集はあまり多くませんが、それでもノイジードラー、ロビンソン、バーレィなどがそういう意図を感じさせる曲集を残しています。これらは皆ルネサンスリュートのためですが、バロック・リュートのためのものはというと多分残されているのはバーウェル・リュート教本くらいでしょう。これは手書きの教本ですがかなり具体的に奏法のことなどが書かれています。

現代においてバロック・リュートを弾いてみたいと思った人がいた場合、どうしたらいいのでしょうか。まずその前にギターをやっておく?あるいはルネサンスリュートをやっておく?私はその必要はないと考えています。でもそう言うだけではなんともならないので、具体的に示してみようと、バロック・リュートの入門書を書きつつあります。最近来られるようになった新しいバロック・リュートの生徒の方々には実際にそれを使ってもらっています。ま、大した入門書ではありませんが、現存の簡単な曲が弾けるようになるまでの橋渡しになればと思っています。近いうちにこの入門書はフリーウェアとしてHPにアップする予定でいます。