リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

めざせ、ストラディバリウス超え!

2019年10月22日 20時29分37秒 | 日々のこと
今年も性懲りも無く芸能人格付けチェックを見てしまいましたが、今回もストラディバリウスを始め、いろんなプロアマの聞き分けをやっていました。でもあるジャンルなんか。プロもアマもどっちも下手なのにプロとアマを聞き分けるというのは、何を基準にしたらいいのでしょう?まぁプロが下手すぎるということは確かなので、はっきりとプロの仕事をして欲しいところです。でもそれだと番組が成り立たなくなるか。

ストラディバリウスの聞き分けを聞いていてふと思ったんですが、件のストラディバリウスというのは、まずバロック・ヴァイオリンとして作ったわけですよね。そして何年か経って、ネックをすげ替え、魂柱を太いのにして・・・などなど幾多の改造を重ねて、現代で使用できるようにしているわけです。

それなら、現代の製作家もそれと同じ道をたどってみてはいかがでしょう。つまり徹底的にバロック・ヴァイオリンのいいのを作るのに注力するのです。何十年も修行を積み、低張力のガット弦(1弦=8kgではだめですよ。5kg以下です)で充分になる楽器が作れるくらいに腕が上がったあかつきには、その出来上がった楽器から現代のハイテンションスチール弦が張れるように改造を施すのです。低張力弦でよく鳴る楽器ですから、ハイテンション弦に替えたらガンガン音がでます。セスナにゼロ戦のエンジンを積むようなものです。

現代のウン億円のストラディバリウスは100年以上経ってから改造し始めていますから、今すぐ改造するのですのでしたら、圧倒的に有利なはずです。多少バロック・ヴァイオリンとして劣っていても楽器の経年変化がない状態のところでの改造ですから、それでもストラディバリウスよりいい音がなる可能性大です。

え?楽器というのは古くなればなるほど音が枯れてよくなっていくんだ!ですって?まぁ楽器にもよるし、修復のしようによってはそういうこともあり得ますが、だまされたと思って一度やってみたら如何でしょうか、製作家の皆さん。(ホントにだまされるかも知れません)え?また何か聞こえてきます。「そんなことをしないでも食ってけるんだ。それにそもそもストラディバリウスを超えてはいけないんだよ」うーむ、確かにそう聞こえたような感じも。どうも私もトシなので幻聴が出るようになりました。