リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

導入延期決定!

2019年11月02日 12時55分24秒 | 日々のこと
先日のエントリーで書きました、大学入試英語試験の民間試験導入が延期になりました。延期ではなくて廃止にしてもらいたいところです。この延期決定を受けて、ナントカ党の政治家達は力を結集して延期に追い込んだなんて息巻いていましたが、ホントに○○な人達です。このことを政争の道具にしてどうするんでしょう。こんな人達が何年か前に政権をとっていたのですから、今思うとぞっとします。

どうも政策決定に近い筋の人にきちんとした人がいないのが困りもののニッポンです。もう10数年前ですが、学校に「総合学習の時間」というのが導入されました。その何年か前、私は所用で文部科学省(最初は文部省でしたが)に出かけることがよくありました。
そのときに中くらいのエライさんにいろいろ尋ねてみました。すでに試行していた学校があったのですが、そういった学校はそもそも教育実践の実績のある学校であり、さらに教員も増補されているわけですが、一般の学校に教員の増補はあるのかと尋ねたところ、ないとの返事でした。これを聞いて、総合学習の成果は画に描いた餅だと強く思いました。
実際それが施行されますと、現場ではどうやっていいかよくわからず、あるいはそもそもそんな力量のある人もいなく、結局のところ修学旅行の準備に充てたり、50分ヒトコマの授業を10分ずつスライスして、毎朝の読書の時間にしたりして「消化」している有様というところが多かったようです。

こういう現場を無視した導入というのは、聞くところによると文部科学省におけるある種の勢力が幅を利かせていた結果だそうです。それを後押しする関連分野の大学の先生や現場の先生達のハクが上がるわけです。

教育の専門家が入っていない中央教育審議会が教育の方向を決めていく仕組みや、中央のお役所が実際の現場の状態が分かっていないとか勢力争いの場になっているという構造的な問題があるので、何かにつけマトモな結果が出ないようです。

きちんと議論していれば、小学校の英語教育導入や今回の大学入試における民間試験導入といった話は出てこないと思うのですが。もうそろそろちゃんとやらないと、この国は相当危ういです。