リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

ヴァイスの「ギターとフルートのためのコンチェルト」

2020年12月12日 22時07分21秒 | 音楽系
もちろんヴァイスはギターのための作品は書いていません。表題の「ギターとフルートのためのコンチェルト」は少し前まで連載していた「ヴァイス:メイキング・オブ・・・」の復元作品をギターとフルートのために編曲した曲です。

この編曲作品がクラシック・ギター専門誌「現代ギター」2021年2月号(1月23日発売)に掲載されることが決定しました。連載終了以降また少しフルートパートを変更していますので、「現代ギター」掲載版は、最新版を反映しています。

ギターに編曲するにあたり、原曲のヘ長調のままだとギターで弾くのは難しいので、一音上げてト長調に移調しました。そして6弦をミからレにしたギターのために編曲を行いました。オリジナルのリュートは11コースの楽器で最低音が低いドです。一音上げた調だと最低音は低いレなので、ちょうど最低音が同じになります。このため編曲するときに、ほとんどバスを変更する必要がありませんでした。ただ、メロディが高い音になるとさすがに指が届かなくなるのでバスを1オクターブ上げましたが、大半は原曲と同じバスの位置で編曲しましたので、とてもリュートの感じが出ているのではと思います。

リュート版もどこかで出版してほしいところですが、まぁ当ブログで全部ネタばらししたも同然なのでたとえ出版されても買う人はいないでしょうねぇ。でも最終決定稿はあれから結構変わっているのですよ、って言ったってその変更分は「現代ギター」買えばわかりますので、言ってみても無駄ですね。もともと日本国内であの楽譜に興味を持っていただいているバロック・リュート好きの人は人数的にもすごく少ない中、ネタばらしをやったわけですから。こうなると海外に販路を見出すしか・・・