リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

BWV1006a(18)

2024年08月15日 20時41分17秒 | 音楽系

97-108小節


100小節目あたりからまた左手にとってまた難場にさしかかります。リュートではあまり使わないポジションも出て来ますがこういうところはバレをしっかりすることで指が弦から外れることを防げます。

例えば3コースや4コースで7フレット以降をいきなり押さえるのはかなりリスキーです。そこで102小節目~105小節目のようにバレをすれば2~4指に対する弦高が下がり指を外すことはなくなります。

100-105小節間では開放弦が3箇所しかなく他の部分とは異なっていますが、それはバレを多用しているからです。

バロックリュートは何年も使っているとネックがそって弦高が上がってきがちですが、そうなるとハイポジションを押さえるのが難しくなってきます。しかしそれだからといってネックを削ったり場合によってはボディのリブの上端を削ったりして弦高を下げるのはなかなかリスキーなことです。ハイポジションは確かに弦高が下がって押さえやすくなっても今度はローポジションやミドルポジションで音がびびったりするということがよくあります。

弦高で私が目安にしているのは1コース7フレットのところの弦高です。1コースの弦の上側から指板までの距離です。これが6㎜を超えるとさすがにリスクはあっても何らかの調整が必要でしょう。私の楽器の場合は現在4.5mmでちょっと高めですが最近数年間は変化しておらず特に問題はありません。