作ったのはプリント基板にバーツを配置し、プラスチックケースにそれを収めるという当時では「最新式」の二石トランジスタ・ラジオです。基板はベークライトに銅板が貼ってあるものを購入、これは近所の模型屋に売っていました。
こんなイメージです。昔のプリント基板です。各パーツは裏で半田付けします。
今のプリント基板はこんな感じですよね。
雑誌に掲載されていた回路図に増幅回路を足したものから実体図を起こし、繋げる部分を裏の銅板の部分にセメダインを塗って描き、塗っていない部分を塩化第二鉄溶液で溶かしてプリント基板を作りました。ウチは写真屋をやっていましたので、なぜか塩化第二鉄があったのです。その頃吹奏楽部に入っていて夏のコンクールに出るべく朝から夕方まで練習をしていました。朝に塩化第二鉄溶液が入ったバットに基板を入れて置き、夕方に帰って来たら見事にプリント基板ができあがっていたのはちょっと感動的でした。
プリント基板は奈良の薬屋が置いていった「一心丸」という薬の透明プラスチックケースに入る大きさにしました。8cm x 6cm くらいの大きさだったでしょうか。ドリルでプリント基板に各パーツの足を差し込む穴を開け裏を半田付けします。慎重に工作を進めたおかげで当然のようにラジオ放送が聞こえました。電池は単五電池一本です。この工作のためにドリルや万力なども購入しましたので結構経費がかかりました。具体的な金額は覚えていませんが3000円以上はかかったと記憶しています。当時としては結構なお値段でしたが、それでも市販のラジオを買うよりはずっと安かったので自作の意味はありました。