リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

お月見ください

2024年09月17日 19時59分07秒 | 日々のこと

今日は中秋の名月。まん丸い月が出て来ます。

夕方に月見団子を買いにK和菓子屋さんに行きましたら、子供が「お月見くださーい」と言って店に入ってきます。すると店主が袋に入っているお菓子を子供に渡し、その姿を一緒に来ていた母親がスマホで写真を撮っていました。

いつのまにこんな風になってしまったんでしょうか。そもそも月見団子をもらいに和菓子屋さんに行くのって、禁じ手では?

私が子供の頃は、各家は鍵もかけず窓も開けっぱなしでお団子や里芋を添えたお皿を家の前に出していました。それをこっそりと「盗んで」いくのがお月見の頃の風習だと思っていました。ところが私の子供たちの時代になると、家のピンポンを押して「お月見くださーい」と言って入ってくるように変わっていました。

そして今や和菓子屋に「お月見下さい」です。有料ならもちろん普通の商いですかが、タダでくれ、ということです。和菓子屋さんにとってみれば、一種の宣伝というふうに見ているのかも。将来ウチにお菓子を買いに来てくれるのなら宣伝費としては安いもんや!とお考えか。

でも近所の全ての和菓子屋さんが同じ事をしているのかというとどうもそうではないみたいで、実はK和菓子屋さんに行く前にT和菓子屋さんに行ったんですが、「お月見団子」という張り紙があるにもかかわらず店が閉まっていました。なぜ今かき入れ時なのにと思いましたが、今思うと「お月見下さい」を避けるためではないか。今子供達にタダでお菓子を渡して将来に賭けるか、現在の経営を考えて渡さないか、どっちが正解なんでしょう?