リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

レコーディング・イン・ドイツ(8)

2009年12月18日 19時48分31秒 | 音楽系
27日
いよいよ録音セッションの第一日目です。まだ時差ぼけが少し残っていまして、夜中の1時過ぎに眼が覚めてしまいました。昨夜7時過ぎにレストランでワインを飲んで鱈腹食べた後、ベッドに横になったのがいけませんでした。もう少しふんばろうと思っていたのですが。その後うとうとしてまた何時間かねたみたいで、起きたのが8時前でした。昨日と全く同じ時間に起きたのか、窓から外を見ると、昨日と同じ老夫婦が犬と散歩に向かい、小学生が登校するところでした。これまた昨日と同じように(って別に縁起を担いで昨日と同じ時間で行動しているわけではありませんが)朝食を下のレストランで取り、20分程散歩して、その後音階練習をして指ならしをしました。そして約束の11時にヤンのスタジオに入りました。

本日はヴァイスのニ短調ソナタを録音する予定です。録音スタジオで録音するのは実は初めてで、本番とはまた異なった緊張感を味わいました。録音だから全然緊張しないだろうと思っていたのですが、そうはいかんもんですねぇ。本番だと、とにかく終わればそれまでですが、録音だと終わるのはかなり先なのでこれは思ったより大変そう、とちょっと弱気にもなりましたが、よくしたもんでそれなりに場慣れしてくるもんです。お昼過ぎには結構快調に進めていまして、ニ短調ソナタの録音は予定より早く終わりました。まだ時間もエネルギーもあるので、バッハの組曲第1番に進みました。5時過ぎに一旦休憩を入れて、5時30分くらいからレストランで食事をすることにしました。そして食事後再開して、7時半過ぎに組曲のプレリュードを録り終えて、本日のセッションを終了しました。



今日のセッションを終えて思ったのですが、録音ってエンジニアとの共同作業なんですね。てっきりプレイヤーが弾きまくり、エンジニアはそれを淡々と録音していくだけだと思っていました。実際には、もう一人の自分、つまり自分の演奏を聞く自分(客観的自分)を入れて3人という感じでして、いくつかのテイクを取って、ヤンと客観的自分がそのテイクを聴きながらいろいろ議論をして進めていきました。もちろん客観的自分は相当主観的自分をひいきはしていましたが。(笑)録音エンジニアは音のセンスはもちろんのこと演奏家と対等に音楽のことについて言えることが必要だと思いました。(ヤンはプロのギタリストでもあるので、当然音楽の事は対等に話ができます)その演奏家の力を生かした録音になるかどうかは、ひとえにエンジニアのセンスにかかっているわけで、そういう意味で彼を選んだのは正解だったと思います。

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