CDを聴いていると私はなぜか些細な音の間違いとか変更が気になってしまいます。
人からは、アラ探しばっかしするいやなヤツだと言われています。(ウソです))
楽譜のミスも探すのが好きですねぇ。(笑)バーゼルにいたころのことですが、レッスンの時、
「ショージ、この楽譜出版されたばかりなんだけど、キミにあげるよ。バロック・リュートを弾いているのはショージしかいないからね」
と言って、ホピーが編曲したバッハの作品(995と997)の楽譜をもらいました。
うれしかったのでさっそくその場で少し弾いていたら、997で一ヶ所ミス発見!多分校正ミスでしょうけど、(彼の録音では間違っていなかったし)ホピーには喜んでもらうことができました。(かな?)
CD録音の音ミスは、結構いろいろあります。偉大な師匠にも2ヶ所音を間違ってしまったところがありますねぇ。ばらしちゃいましょう。(笑)バッハの最初の録音で、1006番プレリュードです。35小節目と93小節目のラの音に#がついちゃってます。(ヘ長調で弾いているので、シ♭がシナチュラルになっている)どうしちゃったんでしょうね。(笑)同じ音が何回も出てくるので音の数でいうと8回の間違い。
1006と言えば、もう一人の大家、ナイジェル・ノースもやっちゃってます。108小節目の3つ目の音、ソナチュラルがソ♯になっちゃってます。ナポリタンを構成する重要音なんだから間違えちゃだめよ、ナイジェル。(笑)でもお二人とも2回目の録音では、え?そんなんあった?って感じできれいに訂正されています。きっとこっそりと反省したんでしょうね。
最近見つけたのは、日本の某ギターの老大家(大昔私もレッスンを受けてましたが・・・)の最新アルバムで、ターレガのラグリマの終わりから2小節目のラ#が抜けてましたね。内声の半音階進行を形作る音で、この曲の終わりの部分においてきらりと光る部分なんですけどね。ご本人は「ボクはその音は要らないと思ったから取ったよ」っておっしゃるかもしれませんが。
音の弾き違いは、彼ら以外にもまだまだあります。もっとすごいのがあるから。でもまぁこれらはまた別の機会にということで。
さてバッハのカンタータ演奏にも音の変更(これは間違いではなく、意図的にしたものですが)を発見しました。ここは前から聴いていて旋律のラインがすごく変なのできっと間違っているのではと思っていたのですが、その曲を自分で演奏することになって楽譜で確認してみましたところ、おもしろい事実が浮かび上がってきました。
曲は109番の第1曲で、67小節のソプラノパートです。この小節の終わりのフレーズ、ミ・(上の)レ・ド・シが私が持っているCD3枚(鈴木、レオンハルト・アーノンクール、リューシンク)とも、ミ・(上の)レ・ド#・シ#になってるんですよね。最初鈴木版だけ聴いていて変な感じだなと思って、他の2枚を聴いてみたら驚いたことに皆同じことをしてるんです。
楽譜を見たらなぜそうしたかが分かりました。つまり、この小節の第2ヴァイオリンパートの一番最後の音がド(16分音符)ですが、この音とソプラノの一番最後の音シがぶつかっちゃうんですよね。で、それぞれの指揮者はこれを避けるために、半音あげて、あと旋律的につながるようにその前のドも半音上げたわけです。でもこの旋律ラインだと半音が2回も続きすごく変な感じです。バッハが書いたままでも音があたるのはホンの一瞬(16分音符)だから気にしなけりゃいけると思うんですけどね。バッハより前の世代のパーセルとかさらにもっと前のイギリスルネサンスでは、ハーモニーより旋律のラインを優先した書き方が結構あったので、バッハの件の部分もそれを引き継いでいるような気がします。
ちなみに、今度の演奏会では指揮者のアグアヨ先生と相談して、バッハが書いたままでいくことなりました。(笑)
人からは、アラ探しばっかしするいやなヤツだと言われています。(ウソです))
楽譜のミスも探すのが好きですねぇ。(笑)バーゼルにいたころのことですが、レッスンの時、
「ショージ、この楽譜出版されたばかりなんだけど、キミにあげるよ。バロック・リュートを弾いているのはショージしかいないからね」
と言って、ホピーが編曲したバッハの作品(995と997)の楽譜をもらいました。
うれしかったのでさっそくその場で少し弾いていたら、997で一ヶ所ミス発見!多分校正ミスでしょうけど、(彼の録音では間違っていなかったし)ホピーには喜んでもらうことができました。(かな?)
CD録音の音ミスは、結構いろいろあります。偉大な師匠にも2ヶ所音を間違ってしまったところがありますねぇ。ばらしちゃいましょう。(笑)バッハの最初の録音で、1006番プレリュードです。35小節目と93小節目のラの音に#がついちゃってます。(ヘ長調で弾いているので、シ♭がシナチュラルになっている)どうしちゃったんでしょうね。(笑)同じ音が何回も出てくるので音の数でいうと8回の間違い。
1006と言えば、もう一人の大家、ナイジェル・ノースもやっちゃってます。108小節目の3つ目の音、ソナチュラルがソ♯になっちゃってます。ナポリタンを構成する重要音なんだから間違えちゃだめよ、ナイジェル。(笑)でもお二人とも2回目の録音では、え?そんなんあった?って感じできれいに訂正されています。きっとこっそりと反省したんでしょうね。
最近見つけたのは、日本の某ギターの老大家(大昔私もレッスンを受けてましたが・・・)の最新アルバムで、ターレガのラグリマの終わりから2小節目のラ#が抜けてましたね。内声の半音階進行を形作る音で、この曲の終わりの部分においてきらりと光る部分なんですけどね。ご本人は「ボクはその音は要らないと思ったから取ったよ」っておっしゃるかもしれませんが。
音の弾き違いは、彼ら以外にもまだまだあります。もっとすごいのがあるから。でもまぁこれらはまた別の機会にということで。
さてバッハのカンタータ演奏にも音の変更(これは間違いではなく、意図的にしたものですが)を発見しました。ここは前から聴いていて旋律のラインがすごく変なのできっと間違っているのではと思っていたのですが、その曲を自分で演奏することになって楽譜で確認してみましたところ、おもしろい事実が浮かび上がってきました。
曲は109番の第1曲で、67小節のソプラノパートです。この小節の終わりのフレーズ、ミ・(上の)レ・ド・シが私が持っているCD3枚(鈴木、レオンハルト・アーノンクール、リューシンク)とも、ミ・(上の)レ・ド#・シ#になってるんですよね。最初鈴木版だけ聴いていて変な感じだなと思って、他の2枚を聴いてみたら驚いたことに皆同じことをしてるんです。
楽譜を見たらなぜそうしたかが分かりました。つまり、この小節の第2ヴァイオリンパートの一番最後の音がド(16分音符)ですが、この音とソプラノの一番最後の音シがぶつかっちゃうんですよね。で、それぞれの指揮者はこれを避けるために、半音あげて、あと旋律的につながるようにその前のドも半音上げたわけです。でもこの旋律ラインだと半音が2回も続きすごく変な感じです。バッハが書いたままでも音があたるのはホンの一瞬(16分音符)だから気にしなけりゃいけると思うんですけどね。バッハより前の世代のパーセルとかさらにもっと前のイギリスルネサンスでは、ハーモニーより旋律のラインを優先した書き方が結構あったので、バッハの件の部分もそれを引き継いでいるような気がします。
ちなみに、今度の演奏会では指揮者のアグアヨ先生と相談して、バッハが書いたままでいくことなりました。(笑)
こういうのって受け入れの許容度の問題ですから、この時代はこんなものと思うと慣れてきますよ。現代のポップスでもマイナス9度はなぜか受け入れられていますよね。(映画音楽、太陽の季節とか)これってマイナス10度を受け入れているイギリスエリザベス朝の楽士には受け入れ難いんじゃないかな。