リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

S.L. ヴァイス:メイキング・オブ・ミッシングパート(16)

2020年10月14日 12時42分16秒 | 音楽系
第二楽章の40~50小節です。



本楽章はもともとそれほど厳密なフーガではありませんでしたが、このあたりからポリフォニックな要素がぐっと減少します。41小節目からのリュートパートはオクターブのラインの連続です。それに合わせてヴァイオリンパートも一緒にオクターブを・・・というのはあまりにも芸がなさすぎます。ということで、ます40小節目のテーマの一番目のモチーフを受けて、41小節目からは二番目のモチーフを繰り返すことにしました。(青で囲んである部分)2つ目の青で囲んである部分(一番右)は少し変形させたパターンです。こうすることによってフーガらしさを保ちます。このパターンが43小節目2拍目まで続きます。



F dur のカデンツを経てまたこのパターンが繰り返されます。ただリュートパートはオクターブではなくなり、単音になっています。この部分は単調になってしまいがちなので、ヴァイオリンのパートは少し変形したフレーズを作りました。それが次の譜例です。



この音型は多分ヴァイオリンやフルートではあまり演奏しやすいパターンではないと思いますが、まぁ我慢して演奏してもらいましょう。(笑)これが前と同じように3小節半続いてF -durのカデンツを経てコーダに入ります。コーダでもテーマの1番目のモチーフが用いられます。(赤で囲んである部分)



(つづく)






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