リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

煙突掃除

2005年05月19日 05時35分11秒 | 日記
以前こっちのドイツ語教室に通っていたとき、Schornsteinfegerという恐ろしく長い名詞を勉強したことがありました。その単語は煙突掃除夫という意味なんですが、なんでまたこんな古くさい単語がテキストに入っているんかいな、というのがそのとき思ったことでした。
煙突ということばからは、昔風呂屋にあった高い煙突しか思い浮かばず、そんなことば、もう現代では死語じゃないのなんて思ってしまったんですね。(笑)
その風呂屋ももう10年くらい前に廃業しました。もちろん私の日本の家には煙突なんかありませんし。日本には煙突がめっきり少なくなってきているんです。
何日か前に、郵便受けから、Kaminfegerが○月○日にあなたの地区に来ます、と書かれたビラが入っていまして、そのときにそのSchornsteinfegerということばを思い出しました。何かを掃除しに来るんだな、とは思いましたが、特に何も考えず忘れていました。
今朝、部屋の前に大家さんからの張り紙があって、

Der Kaminfeger kommt zuerst zu uns. ...(Kaminfegerはうちが最初です)

よかった、今朝はちゃんと早く起きていて。(笑)
では、さっと朝シャワーに・・・

シャワーでさっぱりして部屋に戻ってくる途中、なんか煙突を掃除するような道具(巨大な歯間ブラシみたいな)をもった小太りのお兄さんに会いました。そばにいた大家さんには「もう終わったよ」という。一瞬何が終わったのかなと思いましたが、そのお兄さんの道具を見て、なるほど、煙突掃除だったか、と合点が行きました。部屋に戻ると何か油臭く、多分部屋のストーブにつながっている配管をあの巨大歯間ブラシで掃除したんだなと分かりました。さっそく辞書でKaminを調べてみましたらスイスのことばで煙突のことでした。要するにSchornsteinfegerさんなんですね、あのお兄さんは。
よく考えてみたら、こっちの家は暖房をする関係でどの家の屋根にも煙突があることを今更ながら思い出しました。去年は来ませんでしたから、隔年か何年かに1回各地区を回ることになっているんでしょうね。Kaminfegerはいわゆる生活用語の典型みたいな語ですね。使用頻度は、何年かに数回程度、でもみんなそのことばは身近によく知っていて、生活にはとても重要。こっちの人は誰でも知っているのに、日本の学校ではあまり習わないということばのひとつでしょうね。

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