リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

音楽を始めたころ (4)

2005年05月20日 03時55分55秒 | 随想
 中学3年の初冬、ギターを始めてそろそろ1年くらい経とうとしていた頃、父親が校区の同級生を何人か集めて、アンサンブルをやろうと言い出した。3月の予餞会で演奏するのだという。その頃やっていたPTAの役員会の席で子供を自慢していい顔をしようとしたのが実際のところのようだが、そんな事情を知らない私は、少し不安はあったものの大いに乗り気になった。私が誘ってきた友人5人からなるグループは、年開けてからほぼ毎週家の写真スタジオで練習をすることになる。時期的には私も人並みに高校受験生ではあったが、当時のこと、励ましてくれる人こそあれ、とやかく言うような人は誰もいない。グループの編成は、マンドリン1台とあと4人はギターという非常に変則的なものだったが、それに合わせて父親が適当に楽譜を書いてくれた。曲は「鈴掛の径」という曲で、若い頃素人楽団でやっていた曲のようだ。今から思うと稚拙な編曲ではあったが、当時の中学生にはそれでも充分弾きごたえがあった。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿