リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

旧ゴールデンランド木曽岬温泉

2021年05月29日 18時32分20秒 | ローカルネタ
木曽川下流の左岸は愛知県になりますが、最下流の木曽岬町(きそさきちょう)だけは三重県です。長島温泉のある長島町と同様古くは尾張の国に属していたようで、ことばは関西系のアクセントではなく非関西系の尾張系のアクセントです。電話の市外局番も三重県の059*ではなく愛知県弥富市と同じ0567、郵便番号も三重県の51ではなく、愛知県内の49で始まるものが使われています。

木曽川で三重県と隔てられているので、愛知県内にある三重県の飛び地みたいな感じがしないでもありませんが、ここは飛び地とは言わないようです。(ちなみに三重県内には北山村という和歌山県の飛び地があります)平成の大合併のときも、桑名郡の多度町、長島町は桑名市と合併しましたが、木曽岬町は桑名郡のままです。

そんな木曽岬町にはかつてゴールデンランド木曽岬温泉と言う立派な温泉施設がありました。開業は昭和46年頃です。その頃車の運転免許を取ろうとがんばっていたのですが、免許を持っている人にこのあたりまで乗せてきてもらって、車の運転の仕方を教わっていたことがありました。無免許ですからゼッタイに運転はしていませんよ!ホント。そのとき建設工事中の木曽岬温泉の湯舟のところに腰かけて休憩したものです。温泉施設は食事もでき、演芸場もありなかなか立派な施設でありました。

10年くらい前、名古屋でのレッスンの帰りに立ち寄ったことがありましたが、施設は老朽化してメンテも行われていない感じでした。その時はもう食事もできず、演芸もやっていませんでした。それ以降もそのまま営業していたようですが、2019年の6月頃に廃業したようです。

最近ちょっと近くまで行く用事がありましたので、そのゴールデンランド木曽岬温泉あったところに立ち寄ってみました。

もうすっかり廃墟ですねぇ。


かつての駐車場から見た入り口あたり。


内部はこんな感じになっていました。丸いところが大浴場で、奥の方には確かお城のオブジェがありました。


ここに新しい施設を作るのは今の日本の経済状況だと難しいとは思いますが、温泉をくみ上げるポンプだけは稼働していて、モーター音がしていました。


木曽岬温泉自体はまだお隣にある料理旅館庄助で入ることができます。ここはゴールデンランドと同じ井戸だそうで、さきのモーター音は庄助に供給するためのものでしょう。


ここはシシ鍋で有名なところですが、昔一度行ったことがあります。久々に再訪してみたいところです。当地方は伊勢湾断層や、桑名四日市断層など大きな断層があるためか温泉施設がとても多いのです。そのほとんどはイケイケドンドンの高度成長時代に開業したものでした。しかしここ何年かは廃業するところが目立ってきました。残っているところはがんばってほしいものです。






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3 コメント

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Unknown (やまねこ)
2021-05-29 20:33:53
こんばんは。
こうしたかつての温泉ランド、施設というのは人の出入りが無いと途端にさびれてしまうものですねえ。寂しさとともに、時代の変化というか、時間の移ろいを感じます。
大昔、私は仕事の行商で、愛知県の小牧に車で行ってたことがありました、その時、ICからすぐのところに、温泉ランドがあってよく浸かりましたっけ。
2年くらい前に通りかかったらもうありません。何かの工場にようなものになってましたか。。
 年月の経過はあっという間、物も、人も、変わっていきます。
人の住まなくなった家も、不思議とすぐにさびれてくるものですね。
近所に空き家がありますが、かつての住人は絶えてしまい、縁もないようで草が茫々で瓦から草も生えて、廃墟同然です。まだ5年も経たないのに。
まあいずれ行政でなんらかの処分があるのでしょうが、人口減、都心への集住、地方は寂れる一方です。
 窓から見える山々を見ながら、リュートを弾いてる時など、なんだか無性に悲しくなる時があるんですねえ。
 先生のこのかつては繁栄したでろう温泉施設のお写真を見ていて、人生の無常観のようなものを感じました。
これから先、何が待っているのか・・・・・、なにか考えさせられました。
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re (nakagawa)
2021-05-29 22:59:27
新しいものができずに寂れていくだけというのは、なんか日本の行く末を見ているような・・・
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Unknown (やまねこ)
2021-05-30 09:55:23
まさに、そうです。
私の心の中でモヤモヤと感じていたこと、
まさに先生の仰る点です。
この温泉施設の姿こそが、将来の日本の縮図に思えた。。。。。。
 私も強くそう感じたのでした。
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