リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

リュートという楽器 (6)

2005年02月11日 03時55分15秒 | 随想
 リュートはドイツにおいてヴァイスの弟子や追随者たちによりもう一時代を築いたあと、音楽シーンから去ることになる。時代的には18世紀の後半であるが、その当時はもう他の地域ではリュートの花が開いているところはすでになかった。最後のリュート作品と言われているのが、19世紀はじめ、シャイトラーによるモーツアルトのアリアをテーマにした変奏曲だ。この作品を最後にリュートはひとまず眠りにつくわけだが、約100年後の20世紀のはじめに音楽学者ドルメッチらにより顧みられるようになる。音楽として復興するにはそのさらに50年あとになるものの、わずか100年の浅い眠りを経て、リュートは過去の栄光を再び語る端緒につくことになる。

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