リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

古楽de酒蔵コンサート

2009年10月19日 11時59分29秒 | 音楽系
昨日は、名古屋市守山区の東春酒造でコンサートでした。



これはチェンバロの小原道雄君がこの時期に企画しているコンサートで昨年もご一緒させていただきました。今年はアルビノーニ作曲のオペラ・ブッファ「ピンピノーネ」全3幕を上演しました。バロック音楽の時代のオペラなので、ロッシーニやヴェルディなどのオペラとはスタイルが異なり、バッハのカンタータなんかと基本構成は同じです。中身はまるで違いますが・・・

この作品はオ舞台設営はなく(してもいいんですが)、歌手は2人、オケも各パートひとりずつと通奏低音3人と言った編成です。当日のプログラムの解説から引用しますと、

・・・神話や伝説を熱かったオペラの幕間に、純粋に笑いの要素だけでできた小さな舞台作品が演じられるようになりました。この頃から、前者を「真面目なオペラ」という意味のオペラ・セリア、後者を「おどけたオペラ」という意味でオペラ・ブッファと呼ぶようになりました。・・・

で、昨日のは不真面目な方のオペラで(笑)、成金男ピンピノーネのメイドになり、さらに妻になったヴェスペッタの二人にまつわるたわいないお話です。イタリア語がリアルタイムでわかれば、会場は漫才をやってるみたいで爆笑の渦になったはずですが、このあたりはちょっと残念でした。もちろん対訳は配布されていますので、おもしろおかしいやりとりの内容は理解されて楽しんでいただいたと思います。



会場は昔ながらの製法にこだわる東春酒造に残されている古い酒蔵です。なんでも名古屋城の櫓を建設する木材を譲り受けて作ったそうです。今は酒造りには使用していませんが、なかなか響きがよくバロック音楽のコンサートには大変てきしています。蔵の中は古い鬼瓦や家具、明治時代の列車時刻表など歴史を感じさせるものがさりげなくおかれています。明治35年の関西鉄道時刻表を見ますと、桑名・名古屋間は45分かかっていました。私は別にテッチャンではありませんが、なかなか興味深いです。

コンサートの出演は、ソプラノ:小林史子(ヴェスペッタ)、バリトン:出来秀一(ピンピノーネ)、バロック・ヴァイオリン:熊谷祥子、荻野美和、バロック・ヴィオラ:渡邊瑞衣、ヴィオラ・ダ・ガンバ:熊谷寿彦、テオルボ:中川祥治、チェンバロ:小原道雄でした。私のテオルボはモーリス・オッティガー作のフレンチ・テオルボで、ニ短調調弦にしてあります。

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