東日本大震災でPTSD(心的外傷後ストレス障害)のことが、やかましく言われるだろうと私は想像していた。だが、初めのうち少し言われただけで、4ヵ月たったいまでもほとんど話題にならない。
これは私の予想に反していた。私は「これからどんどん(身元の怪しい)PTSDという用語がマスコミ上で言われるようになるぞ」と、この欄で予想を立てた。それが外れた形だ。
なぜ、被災者にPTSD様の症状が起こらないのだろうか?答えは簡単である。被災者が注目され続けているからである。精神分析の用語で言えば「リビドー備給」が十分に行われているからである。「リビドー備給」とは、他人が注目すること、または関心を寄せることである。
PTSDの「本家」であるベトナム帰還兵は、祖国から歓呼で迎えられるどころか、無関心や反感をもって迎えられた。これがPTSDの「原因」である。中井久夫氏は、今原子炉内で作業している作業員が「(人々から)忘れ去られるとき」PTSD的になるだろうと予言している(2011-05-31)。
東日本大震災の被災者も、マスコミがうるさいほどに報道してくれるうちは、PTSD的にならないだろう。それを考えると、東日本の直後に起きた長野大震災は報道されることがない。だから、東日本よりも長野のほうが被災者はPTSD的になりやすいだろうと、私は思っている。
これは私の予想に反していた。私は「これからどんどん(身元の怪しい)PTSDという用語がマスコミ上で言われるようになるぞ」と、この欄で予想を立てた。それが外れた形だ。
なぜ、被災者にPTSD様の症状が起こらないのだろうか?答えは簡単である。被災者が注目され続けているからである。精神分析の用語で言えば「リビドー備給」が十分に行われているからである。「リビドー備給」とは、他人が注目すること、または関心を寄せることである。
PTSDの「本家」であるベトナム帰還兵は、祖国から歓呼で迎えられるどころか、無関心や反感をもって迎えられた。これがPTSDの「原因」である。中井久夫氏は、今原子炉内で作業している作業員が「(人々から)忘れ去られるとき」PTSD的になるだろうと予言している(2011-05-31)。
東日本大震災の被災者も、マスコミがうるさいほどに報道してくれるうちは、PTSD的にならないだろう。それを考えると、東日本の直後に起きた長野大震災は報道されることがない。だから、東日本よりも長野のほうが被災者はPTSD的になりやすいだろうと、私は思っている。