院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

グローバリゼーションとは何か?

2014-01-03 05:00:52 | 経済
 昨日の深夜、NHKテレビで「グローバリゼーションとは何か?」というテーマで討論番組をやっていた。

 参加者は30代の若手学者と若手起業家だった。いろんな意見が出た。

グローバリゼーションに乗り遅れるなといういうが、乗り遅れてはいけないのか?
グローバリゼーションとは要するにアメリカ化ではないか?
グローバルに活躍できる人と、そうでない人が階層化している。
半径5キロしか移動しない人のコミュニティーをどう考えるか?etc.

 結論として私にはたいして面白くない討論会だった。議論が生煮えなのである。若手学者は理屈のための理屈のようなことを言う。そういうのを嫌って、そういうのを否定したくて諸君はあえて学者になったのではないの?

 若手学者の「論理」に押されてか、若手起業家からは実践から出てきた重い発言がなかった。ある女性起業家の「東南アジアに市場があると見るから行くのであって、グローバリゼーションを意識しているわけではない」との発言が印象的だった。

 「地産地消」という言葉はついに出なかった。グローバリゼーションの対概念としてこの言葉は外せないはずのなのだが・・。

 この欄で先日述べた「経済のグローバリゼーションとは労働力を買いたたくことである」という観点が欠如しているから、言葉が宙を舞うような議論になってしまうのだ。

 もっともテレビによる公開討論という形式そのものが、本音を言いにくい構造になっているのかもしれない。その上、漠然とグローバリゼーションについて論ぜよ命じられてもねぇ。

 名古屋市役所に奉職していたころの係長研修で、被差別を題材にした劇映画を見せられ、そのあとに「みなさん、ご自由に討論してください」と言われたのを思い出す。