トラブルシューター

私の修理・製作体験記(茨城・県西おもちゃ病院・JA7FJP/1)

DC-DCモジュール [DC-DC2576-ADJ] はインダクタ交換で出力電流増加に

2015-06-03 12:32:59 | 電子工作

 先日のaitendo製DC-DCモジュール [DC-DC2576-ADJ]の負荷電流特性が、どんなものか、強制空冷のダミーユニットを製作して測定してみた。
すると、1Aまでは問題無いは、設定をMax12Vにしても負荷に5Ωを接続すると出力電圧が10Vにドロップしてしまう。
ダイオードも熱くなるが3A用なので規格上は問題無い。ICも最大3Aなので問題無い(放熱の問題は残るが)。
要素の中で残るはインダクタなので外して調査してみる。
これもaitendoの説明によると100uH/3A品を使っているので、電流的には問題無いはずなのだが。
手持ちの太陽誘電製LHL13NB101Kに交換することにした。これは定格電流が2Aである。
外したものと、手持ちのものをLCRメーターで測定したが、どちらも100Hz~100kHzで100uH前後と、特に差異は見られなかった。
なので、結果は同じだろうと思っていたら、なんと12V出力で負荷5Ωにしても、電圧低下は見られなくなった。
コアの特性なんだろうか?(LM2576は発振周波数が52kHzと高くは無い、これが+に影響か?)
取り敢えず、今後はこれに交換して使うことにする(リードピッチが広いのでホーミングの必要有り)。

インダクタの外皮を除去して中のコア・巻線で比較すると
aitendo  コア径:φ9  直流抵抗:0.119Ω
太陽誘電 コア径:φ12 直流抵抗:0.098Ω
その後aitendo トロイダルコイル [TC5026-100UH-060] 直流抵抗:0.072Ω
に交換してみると、これでも問題無く2A流せる。

LM2756は2A流すと、結構熱くなるので、オリジナルの実装(基板のスルーホールに素子を直半田付け)について、ヒートシンクを表裏に接着性シリコンコンパウンドで付けて見た。表面側はモールドからの放熱になるので、モールド材料の熱抵抗が問題になるかとは思うが。

各部の表面温度をサーミスタ温度計で測定してみた。
強制空冷用ファンは20mm角、5V用だが出力電圧12Vで駆動(真似しない様に)し掃き出し方式。

               自然空冷    強制空冷
U1(LM2576)金属部   97℃    ファンが有り測定不可
ヒートシンク(基板裏面)  92℃      42℃
ヒートシンク(基板表面)  72℃      31℃
D2(IN5822)逆接保護   103℃      84℃
D3(IN5822)SW用     107℃      52℃
L1(トロイダルコアー)   68℃      33℃
C4(出力用電解コン)   47℃      31℃
ファンの効果がかなり期待出来る。ダイオード(I:3A)の動作温度範囲はMax125℃なので、自然空冷時には余裕が少ない。
強制空冷ダミー】
ダミー用に10Ω/10Wのメタルクラッド抵抗を2本持っていたので、接続してみたが、定格と同じなので単体ではかなり熱くなる。
そこで、大量に余っているパソコンCPU用強制空冷フィンに取り付けることにした。
フィンに下穴を開け、タッピンねじで固定。間には放熱用接着シリコンを塗る。
ファンを回さないと、やはり熱くなるので、フィンを12Vで回してみたら、常温まで下がった。
ファンは150mA程度の消費だった。

この様な直流であれば、パワーMOS-FETによる電子負荷装置にすれば、電流可変出来るのですが。

コメント
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