今年初めての「おもちゃ病院」で、午前中は依頼者がゼロ、これはヒマになるかなと思っていたら、午後は難しいおもちゃが来た。
1.恐竜型ABC英語玩具
あいうえおボード等のシートキーは内部フィルムに導電プリントパターンを印刷しているものが多いが、腐食等で断線したりする不良が多い。
導電ペイントで治る場合が多いが、複数個所の場合は配線を這わせる大手術となることもある。
今回は恐竜型の英語教材があり、A~Eのボタンが反応無し。
とにかく分解が大変で、ほとんどのねじを外さないと修理出来ない。
シートは平板ではなく階段状になっており、初めて見る構造だ。
コモンパターンがテスターで断線確認出来るが、レジスト絶縁で剥さなければならず難しい。そこで線を這わすことにして、これの固定に100円UV(紫外線)レジンを使用してみた。
このヒントは東京タワーでのお土産用スノーボールで、お店で好きなパーツを接着して、これを液体(水?)の入ったボールに組み込むのだが、このパーツが衝撃で取れてしまい、何とかならないかとの修理依頼で、その時ブラックライトを使っていた様だとの証言があり、今回もこのレジンで上手く接着出来た。
UVランプは自作しても良いが、私はネール接着用のライトをAmazonで入手して使用。波長が短いのが早いということで日亜化学のが良いのだが少し高価である。これも試してみたが少し早い程度だった。
専用のUV接着剤だと5秒程度で固まるので良いのだが価格が10倍以上する。
100円のは約3分程度の照射が必要の様だ。ソフトタイプとハードタイプの2種類(更に色も何色かある)あるが、ハードのがこの用途には向いていると感じた。
導通ランドへは導電ペイントで接続する。
2.SL
このUVレジンはSLのモーター接触接点のモールド固定にも使った。
モーターへの配線は何故か直接では無く、ブラシにより接触させて行っている。
このブラシの取り付けモールド部が割れていた。
ここでUVレジンが活躍。
短時間で収縮も無く肉盛りが出来、半田こてでも、少しでは溶けないくらい熱にも強い。
煙突部はヒーターと断続ファンが組み込まれており、内部オイルにより煙が出るところが面白い。
3.カービーヘリ
飛ばなくなったといって同じものを2機持ってきた。
リンク部品が1個紛失しており、タイラップを加工して製作する。しかし、上昇せず、横に流れてしまう。すぐには原因がわからなかったので、入院して調べてみる。
(赤外線リモコンの接触不良もあったが)
行き詰ってしまったところで、良くみるとローターが点対称になっていないことに気付く。
どうやら、同時に落下して、外れたローター(差し込み式)を何も考えず差し込んだと思われる。
二重反転式で上のローターと下のローターは逆の傾きになる。
正常な状態に入れ替えてみると1機は見事上昇した。しかしもう1機はバッテリーが劣化(充電しても数分で充電完了になってしまう)している様で回転が弱い。これは修理不能とした。