トラブルシューター

私の修理・製作体験記(茨城・県西おもちゃ病院・JA7FJP/1)

タダノRCS-MM2送信機修理

2018-02-22 10:13:13 | ラジコン

 以前修理したものだが、また電源が入らなくなったということで、見てみた。
電源ボタンを強く押すと電源がON(LEDが点灯)する場合があるので、スイッチの接触不良では無いかと分解してみた。

テスターでは問題無さそうなのだが、一応全てのスイッチ(プッシュ×4個、トグル×4個)を交換してみる。しかし入らない確率が多い。

今までの実績で多い、三端子レギュレータIC不良を確認すると、やはり2個中1個の出力電圧が出ていないので、ピンアサインが同じデスクリートのS812C33Aに交換するが改善しない。

現象として、一旦は正常に動作するかに見えるが、最後電源LEDが点滅して消灯してしまう。
基板の電源電圧をテスターで見ると、電圧低下があり、また細かい変動があるので、電池ホルダーの接触不良が考えられる。
マイナスのばね電極と鳩目の接触が悪くなっている様なのでステンレスフラックスで半田付けする。
鳩目部分がバネに隠れて半田付け出来ないところはリード線を回して、ばね電極に直接半田付けする。

これで確実に動作する様になったが、電波をモニターすると片側(CH2)が出ていない。
CH1(1回点滅)62.826MHz×4逓倍=251.304MHz
CH2(2回点滅)63.126MHz×4逓倍=252.504MHz
水晶を取り換えてみても、CH2部回路が発振していない様で、CH1の回路にCH2の水晶では発振しているので水晶は壊れていない。

チップトランジスタの電圧を比較すると、CH2側はB,E電圧が出ていない。
(正常なCH1側はC:1.7V、E:0.9V、B:1.25V)
マーキングがR24となっているので検索サイトMARKING CODE@wikiで調べるとNEC製の2SC3356か2SC4226の様だ。2SC3356は秋月から入手可能だがRF用の手持ち品を調べると、これも秋月から購入してあった2SC3310が使えそうなので交換する。今まではチップ部品の半田付けに苦労していたが、UV接着剤で容易に固定が可能になり、楽に出来た。
ところがこれでも発振しないので周辺抵抗の値を測定すると、Bのバイアス抵抗の3.3kΩが断線している様だ。
チップ抵抗は無いのでリード抵抗を半田付けすると見事、発振した。どうやらトランジスタは問題無かった様だ。

【地元の方から同機の修理依頼】
起伏スイッチが動作しないという依頼があり対応した。
ところが、電源が入らない。依頼者に確認すると、ちゃんとONはしていたとのこと。
分解してみると、上記の機種と同様に三端子レギュレータが壊れている様で出力電圧が出ないのでHT7533に交換したところ、電源は正常に入る様になった。
電波をモニターしてみると、起伏が反応しない。
基板を外すと、やはりスイッチ自体が破損しており、手持ちの同等品に交換。電波が出る様になった。
しかし2周波のうち1周波(電源LEDが1回点滅側)しか動作しない。
上記品と同じ原因かもしれないが、時間が無く、1周波だけでも問題無いということで、この状態でお返しすることにした。

コメント
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