書く書くと絶叫していてぱったり途絶えているものがあるのですが。
考えているうちにどん詰まりになって手が止まっています。
余裕をもつとゆうことを考えて、余裕が持てない人の典型なのです。うーん。
:近代浪漫派文庫 28「河井寛次郎・棟方志功」 新学社 2004年
近代日本の文学者・芸術家を「浪漫的心性」に基づいて選び、
42冊に厳選した新学社の文庫シリーズ、28番目に収められているのが本書である。
旧仮名遣いを改めず(これはとてもえらいことだ)、
維新草莾詩文集に始まり、三島由紀夫で終わるシリーズの、
折り返しからすこし過ぎたあたりか。
河井寛次郎と棟方志功、深い交わりの目立つ二人ではあるものの、
河井と共にたいがい並べられる柳宗悦や浜田庄治ではなく、
あえて棟方を選んだところが「浪漫的」なのだろうか。
二人ともちょっと説教臭いからだろうか。うーん。
ともかくも、詩をつくり文章もうまい河井と、
感性の天才棟方の、二人の芸術家書くところの随筆だ。
対照的である。かっちりした構成の河井に、
口からこぼれたことばのまま書きつぐ棟方。
どちらも語りきれないので、一人ずつ紹介することとする。
今日は、棟方だけ。
棟方志功 「板響神(抄)」
文化勲章を受章した画家、棟方志功が、雑誌やラジオの原稿として、
個々に書き下ろされた随筆を集めた文集「板響神」は初版が昭和二十三年。
中から二十本ほど抜き出して収録した本書で目を惹くのは
やはりその言葉づかいである。『~気が附くんですね。』や
『~もんですネ。』など語りかける言葉が文に落ちても自然なままで残っている。
黙読でも棟方の節回しが直接響いてくるのだ。
そして何より、すなおな感覚とするどい眼差しが、
どの随筆のどの文をとっても溢れている。
たとえば、「瞞着川(だましがわ)」「並・瞞着川」の同じネムの木の書き方。
『ネムのフランス色とこの白さと花形のフサフサとバツクリが、
いかがはしい。(「瞞着川」より)』
『ネムがこの頃、まつ盛りで、だまつていても、
この川の橋まで来ると、ねむくなるのですよ。(「並~」より) 』
同じネムを「いかがはしい」と見るときと、
「だまつていても」「ねむくなる」と思ったときとをぽんと書きわける。
画布に踊る奔放な筆が、原稿用紙に移っても、
棟方は自身が生み出したあどけない表情の仏達そのままに文が書けるのだ。
ことばは子供のようにかわゆいが、思考は炎のように熱い。
エネルギーの埋まる、ただならない文章である。(507文字)
考えているうちにどん詰まりになって手が止まっています。
余裕をもつとゆうことを考えて、余裕が持てない人の典型なのです。うーん。
:近代浪漫派文庫 28「河井寛次郎・棟方志功」 新学社 2004年
近代日本の文学者・芸術家を「浪漫的心性」に基づいて選び、
42冊に厳選した新学社の文庫シリーズ、28番目に収められているのが本書である。
旧仮名遣いを改めず(これはとてもえらいことだ)、
維新草莾詩文集に始まり、三島由紀夫で終わるシリーズの、
折り返しからすこし過ぎたあたりか。
河井寛次郎と棟方志功、深い交わりの目立つ二人ではあるものの、
河井と共にたいがい並べられる柳宗悦や浜田庄治ではなく、
あえて棟方を選んだところが「浪漫的」なのだろうか。
二人ともちょっと説教臭いからだろうか。うーん。
ともかくも、詩をつくり文章もうまい河井と、
感性の天才棟方の、二人の芸術家書くところの随筆だ。
対照的である。かっちりした構成の河井に、
口からこぼれたことばのまま書きつぐ棟方。
どちらも語りきれないので、一人ずつ紹介することとする。
今日は、棟方だけ。
棟方志功 「板響神(抄)」
文化勲章を受章した画家、棟方志功が、雑誌やラジオの原稿として、
個々に書き下ろされた随筆を集めた文集「板響神」は初版が昭和二十三年。
中から二十本ほど抜き出して収録した本書で目を惹くのは
やはりその言葉づかいである。『~気が附くんですね。』や
『~もんですネ。』など語りかける言葉が文に落ちても自然なままで残っている。
黙読でも棟方の節回しが直接響いてくるのだ。
そして何より、すなおな感覚とするどい眼差しが、
どの随筆のどの文をとっても溢れている。
たとえば、「瞞着川(だましがわ)」「並・瞞着川」の同じネムの木の書き方。
『ネムのフランス色とこの白さと花形のフサフサとバツクリが、
いかがはしい。(「瞞着川」より)』
『ネムがこの頃、まつ盛りで、だまつていても、
この川の橋まで来ると、ねむくなるのですよ。(「並~」より) 』
同じネムを「いかがはしい」と見るときと、
「だまつていても」「ねむくなる」と思ったときとをぽんと書きわける。
画布に踊る奔放な筆が、原稿用紙に移っても、
棟方は自身が生み出したあどけない表情の仏達そのままに文が書けるのだ。
ことばは子供のようにかわゆいが、思考は炎のように熱い。
エネルギーの埋まる、ただならない文章である。(507文字)