えぬ日和

日々雑記。第二、第四土曜更新を守っているつもり。コラムを書き散らしています。

スコット・ジョプリン:「KING OF RAGTIME」より

2009年05月28日 | 雑記
本配属が始まります。
今度こそ、今までのように、こうして文字を書き記すことが
どんどん難しくなってくると思います。
でも書き続けます。必ず書きます。
どうか、名前を知っている方も、もしかしたら名前を知らない方も、
時々は読んでやってください。
おねがいします。ぺこり。

今日は大好きなピアニストの音楽を紹介します。
スコット・ジョプリン(1868~1918)はアメリカのピアニストで作曲家です。
「The EnterTainer」の曲が、1973年アカデミー賞作の映画『スティング』
で使用されたことで評価が一気に上がりました。
逆に、代表曲と言うとこれだけのように聞こえたり、
スコアが紹介されていたりはしますが、是非一度、本人の演奏を聞いて
ほしいのです。もう100年前とかそんな曲ばかりですが。
ユーロビートやジャズの源流となった、ピアノが跳ね回るような
指運びを聞くと、かえって落ち着かされてしまう暖かい音楽です。


:「Pine Apple Rag」(1908)

スコット・ジョプリンの「パインアップル・ラグ」は二分四十秒からはじまる。

有名なイントロを持つパインアップル・ラグの後二秒ほどの間が空いて、
もうひとつのパインアップル・ラグは堂々と登場する。

「ラグの王様」とのジャケット、黒鉛で描かれる黒人のピアニスト、
調律のされていないピアノはキーを叩かれてカン高く歌う。
指先が見えるんじゃないかとおもうほどすばやく音階が移動し
和音が叩きつけられる。たくさんのラグにまぎれながらパインアップル・ラグは
あの有名なイントロをかき鳴らして登場した。
そして二分四十秒。激しいダンスを踊る人の足が切り替わるようにメロディが、
音がかわる。1903年のパインアップル・ラグは前半から
映画『スティング』で聞いたときの倍のスピードをもって演奏されるが
その速さよりももっと速く、明るさを増した演奏が為されるのだ。
そしてパインアップル・ラグは聞き手を置き去りにして自侭に踊りだす。「Pineapple Rag」と書かれているからこそそう聞こえるのかもしれない、
それほど別な曲が突然として一曲の後にあらわれる。
なにより間が存在すること、本当は別の曲だったことを示唆するのかも
しれないが一曲として収められている以上これは繋がりだ。
わざと間をおいて聞き手をじらしながら再度サビのメロディを歌う
いやらしい演出とは無縁に、純粋な呼吸のための間は踊りが
切り替わるための必然な一瞬。ピアノ引きの呼吸が見える一瞬。
コメント
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