大田区議会議員 奈須りえ  フェアな民主主義を大田区から!

◆無断転載禁
◆連絡先 office☆nasurie.com(☆→@
◆メルマガ希望はメールで 追って連絡します

5歳~11歳への新型コロナワクチン接種についての陳情に考えたこと

2022年02月28日 | コロナシンドローム

5~11歳のこどもへの新型コロナのワクチン接種が始まるのを前に、区民から「当面のストップ」についての陳情が出されました。


私の所属する「健康福祉委員会」で審議され、委員会審査は「不採択」でした。

提出者が新型コロナワクチンのこどもへの接種について、当面のストップを求める理由を、あらためて調べてみました。

厚生科学審議会 (予防接種・ワクチン分科会 副反応検討部会) (mhlw.go.jp)

こどものワクチンですが、国の審議会の議論を読むと、必ずしも手放しで接種を推進しているわけではありませんでした。

小児科学会が審議会に提出した資料などからは、こどもの接種に際し、診療所や集団接種会場で整えておくべき体制について詳細に提言されていますし、コロナに対する認識やワクチン接種についても、一般に言われていることとの温度差を感じます。

国の審議会での議論を政府が判断し、そこから、政治の現場・行政・マスコミ・それらを受ける区民・市民生活の現場などに伝わる中で、その理解や情報提供のニュアンスは、少しずつ違っているように感じます。

こうしたことを知ったうえで、最後は、多くの場合、

こどもの親がどう判断するか、

なのだということをあらためて実感しました。

ワクチン接種は、コロナから健康や命を守るために行うものですが、
この間、ワクチンの副反応について国も認めていますし、因果関係は明らかになっていないもの、少なくない方が接種後に亡くなっています。

97e7857b559e5335c395b43078daf134.pdf (nasurie.com)

これらの数字は、医療い期間や製造販売機関から報告された数字なので、因果関係は認められないものの、ワクチン接種に関わり提供すべき情報だと考えているので、こうして国も報告しているのでしょう。

上記の2月18日付報告ですと、令和3年2月 17 日から令和4年1月 23 日までに報告された死亡事例は計 1,382 件で、3回目接種後の事例は2件あったそうです。

他のワクチンでの事例に比べてどうか、他の疾病と比べ、新型コロナをどう考えるか、上記の3ページ以降の表には基礎疾患なども記載されていますので、そうした情報を合わせ、この数字をどうみるのか違ってくると思います。

いずれにしても接種における判断材料の一つだと思いますが、一部取り上げている報道はあるものの、簡単にみられる数字ではないと思います。

こうした数字含め、接種したい方の機会を奪ってはならないと思いますし、
あの時知らされていれば、はあってはなりません。

そのためにも、十分な情報提供が必要であり、陳情を採択すべきと主張しました。

討論の内容をご紹介します。

__________________________

 

 

4第9号5~11歳の子供への新型コロナワクチン接種当面のストップについての陳情

 

について、採択を求める立場から討論いたします。

この陳情は、ワクチン接種の権利を奪うのではなく、より充実した環境を整えるものだと思います。

これから始まる5~11歳のこどもへの新型コロナワクチン接種に際し、

●コロナワクチンは現在治験中で、ファイザー社製ワクチンは本年5月に正式な承認申請を行う予定と聞いているので、その正式承認申請の申請データを専門家が審査したうえで、接種を考えてほしい

と要望する陳情です。

5~11歳の子供に接種できるファイザー製の新型コロナウイルスワクチン「コミナティ筋注5~11歳用」については、2022年1月21日厚生労働省が、特例承認を行っています。

特例承認とは

特例承認というのは、法の規定に基づいて


(1)疾病のまん延防止等のために緊急の使用が必要

(2)当該医薬品の使用以外に適切な方法がない

(3)海外で販売等が認められている

という要件を満たす医薬品について、承認申請資料のうち、臨床試験以外のものを承認後の提出としても良いなどとして特例的な承認をする制度を言うそうです。

承認されているワクチンについて、陳情者が、
コロナワクチンは現在治験中で、ファイザー社製ワクチンは本年5月に正式な承認申請を行う予定と聞いている

と言っているのも、特例制度で臨床試験以外のものを提出して承認されたからだということがわかります。

当面のストップは、制度の作りからも可能だと思います。

国の審議会の小児科学会の提唱する接種環境を整備するためには、一定の時間もかかります。

しかも、特例制度の承認の要件にあるように

一日も早くコロナ感染拡大を止めたいと願う一方
重症化の低いこどもたちに無理をしてリスクを拡大させないよう、にしたいですし、

栄養や運動や睡眠や手洗い入浴など基礎体力の増進などによる免疫力をつけることも大切だと思います。

 

厚生労働省の厚生科学審議会 予防接種ワクチン分科会での議事録を確認すると、

 

5~11歳のワクチン分科会での様々な発言


5~11歳の新型コロナワクチンの接種については、

  • コロナはこどもにとってただのかぜではない
  • 学校教育の中ではあまり感染していない
  • 小児のコロナ感染症の状況について、海外との違いをきちんと評価する必要がある
  • 副反応のリスクに関する情報提供が非常に重要ではないか
  • 小児は重症化しにくいというのが一般的な理解である
  • 小児にワクチン接種をするのであれば、何のためにするのか、共通理解を持つべきではないか
  • 小児は軽症が多いので、対象にするとしても全ての5歳~11歳の方に積極的にワクチンを進めるという方向性については、慎重にした方が良いのではないか

と言った意見がある中で、、

【8】こどもにも予防接種法での接種の機会は確保すべきではないか、一方、接種勧奨や努力義務を課すかについては議論すべきではないか。

といった方向に進んでいったことが読み取れます。

 

審議会では、

コロナはこどもにとってただの風邪ではないとしていますが、

重症化しにくい、軽症が多い、ワクチン接種をするのであれば、何のためにするのか、共通理解を持つべき、

など、私たちが、子供たちのワクチン接種について考えるうえで極めて重要な見解がしめされています。

基礎疾患のある子に対する考え

しかも、ある委員が発言していた、

  • 🔴このワクチンの要望が一番高いのは基礎疾患がある子供たちで、確かに基礎疾患のある子供たちは重症化することを考えると進めたい対象ではあるのですが、やはりもともと体が弱い子であり、副反応、因果関係はともかくとして接種後に体調不良が起こりやすい子供たちなので、その子たちに打ったときの救済が手薄になるというのは許せないことであって、そこは絶対に小児科医としては譲れないところであると私は考えています。

といった意見が複数出ていました。

ある委員は、

こうもおっしゃっています。

重い病気か軽い病気かこれからわかってくることがいっぱいある

この新型コロナが5歳から11歳にとって重い病気なのか軽い病気なのかは、今日もたくさん資料を出していただきましたが、まだこれから分かってくることがいっぱいあると思うのです。だから、ここは、ほかとの整合性も含めて、最終的に国のほうでどうお決めいただくのかということになるとは思うのですが、場合によってはそこの再度見直しも含めて、今後の方向性を国民の皆様に一番いい方法で選んでいけたらなと考えています。

 

 

専門的な知見を持ち、国の審議会の委員まで勤められている方が、5歳~11歳のこどものコロナワクチンの接種について、🔴新型コロナが5歳から11歳にとって重い病気なのか軽い病気なのか、これからわかってくることがいっぱいある、こういっているのです。

 

裏を返せば、コロナは、重い病気か、軽い病気か今はわからない、そういう中で、ワクチンが特例承認されている。

しかも、日本小児科医会が、

🔵ワクチンにおいてはその効果はかなり高いと言えるが

🔴副反応としての接種部位の疼痛、発熱、頭痛、倦怠感などはこの年齢に接種されている他のワクチンに比べ、発現率は高いと想定され、血管迷走神経反射、心筋炎、心膜炎についても十分な注意と対応が必要だと言っています。

 

こうした情報は、なかなか、表には出てこないので、心配で調べている方たちと、そうでない方の情報量の差は大きいと思います。

 

メリットデメリットの存在する中で、それぞれの何を大切にするかは、各人、各家庭の判断にまかせられますが、いまの大田区の接種のお手紙やHPの状況は、マイナス情報が少なく、誘導的ですらあります。

 

ワクチン接種後死亡報告

国は、副反応があることを認めています。

ワクチンは、健康な人が、健康を守るために接種するものですから、死亡する事があってはなりませんが、因果関係は立証されていないものの、対象期間までに、ファイザー社ワクチンについて1,382件(100万回接種あたり8.1件)、武田/モデルナ社ワクチンについて67件(100万回接種あたり2.1件)、アストラゼネカ社ワクチンについては1件(100万回接種あたり8.6件)の報告がありました。

その中の一人は13歳です。

こういう情報も、きちんと提供したうえで、個々人が選択できる環境を作っていくべきだと思います。

大田区の情報不足

先日、大田区から送付されたワクチンの封筒には接種の手続きの説明だけが封入されているそうです。メリットデメリットについては、QRコードで国のリーフレットが見られるようになっているそうですが、

国のリーフレットは、

副反応について、ほとんどは、軽症又は中程度で、安全性に重大な懸念は認められない、

心筋炎は、多くは安静によって自然回復する。

健康障害なくすことができないことから救済措置が設けられている。

など、大丈夫だからと、リスクの可能性を見えなくする表現になっていて問題だと思います。

区民の方から、

大人の接種券が送られてきた封筒に入っていた、ワクチン成分や予防接種をどのような方は受けられないかなどの注意書きの書類も今回は封入されていなかったとうかがい、大人のワクチン接種も3回目に入り、慣れてしまっているのか、

身体が小さくて未成熟なこどもへの配慮として、あまりにも簡単に考えていて、心配になりました。

 

基礎疾患の子どもはコロナの重症化の心配がある反面、もともと体が弱いので、接種後に体調不良が起こりやすい、そこは絶対に小児科医としては譲れない、こう発言していた審議会の委員の発言を、大田区は、基礎疾患のあるこどもとそのご家族などに伝えるべきだと思います。

 

あの時、説明を受けていれば、にしてはならないと思います。

 

万が一にも、大田区の情報提供不足により、何か起きたら、後悔してもしきれません。

 

委員会の審議においても、多くは、国が決めたことだから、大丈夫に違いない、という事なのだと思いますが、区民に一番身近な自治体議員として、心配や懸念やリスクは、一つでも減らして、安心した気持ちで大田区のこどもとご家族などには、コロナ予防対策を講じていただきたいと思います。

採択を求めます。                                                                                   


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。