大田区は、大田区民センターを解体し、跡地に保育園、区民活動施設などが入る複合施設を建設中です。
既存の区民センターは大幅に面積が減っただけでなく、社会教育施設から区民活動施設に代わり、社会教育という行政目的がなくなりました。
敷地の一部分に建物を寄せて、敷地の半分弱を占める土地を空地にしていますが、用途は決めていません。
大田区は、コロナで580億円の財源不足が生じることを知りながら、一向に事業の優先順位をつけて見直しをしません。穴埋めに、売却されたり貸し出されたりするのではないかと心配です。
大田区民センターの跡地の開発に伴う、条例議案が出されましたが、こうした問題点について指摘しました。
以下は、議案に対する討論の際の発言です。
フェアな民主主義 奈須りえです。
第99号議案 大田区新蒲田1丁目複合施設条例
第100号議案 大田区新蒲田区民活動施設条例に反対
の立場から討論いたします。
大田区民センターが壊され、敷地2454㎡のうちの約600㎡程度の部分の複合施設の設置条例です。
施設の共有部分と保育園、区民活動施設を除いた部分について、条例で規定しますが、保育園と区民活動施設は別の条例で位置づけられます。
この複合施設も、今回の条例で位置づけ以外の敷地の西、公園の南側の1909㎡をどう使うか公表されておらず、問題です。
しかも、敷地面積が極端に狭くなったことでも明らかなように、これまでの区民センターの機能が極端に狭くなっていて、それが第100号議案の区民活動施設条例に影響しています。
私は、区民センター条例廃止に際し、社会教育施設である音楽ホールが廃止され、それに代替する社会教育施設がなくなり、それを拡充する施設が無いことから反対しています。今回の施設は社会こういく施設としての位置づけではなく、区民活動施設であり、根本的にその存在意義が違います。
大田区は社会教育課を廃止してしまい、社会教育そのものを軽視していると感じます。社会教育施設まで完全になくしてしまえば、さらに区民の社会教育活動を先細りさせ、亡くなってしまうと思います。
大きな施設は大田区総合体育館のように、興業のために使われ、区民センターのような社会教育などの区民活動のスペースはどんどんと狭められていて、公の施設が投資家の投資の対象になってきていて、大田区は、区民のための仕事をしていないことが良くわかります。
区民生活は、市場経済に大きく左右されるなか、公共施設の意義や公共の福祉の重要性がますます大切に、また、大きく問われる時代になってきています。
大田区は、区民が無料で、低価格で使える公共スペースを極端に減らしてきていて、逆に、民間投資対象のスペースを広げるという、まったく逆を行ってきています。
最後に、今回の区民活動施設の敷地面積は2454㎡で全体の敷地面積4364㎡のうちの56%半分強に過ぎません。同じ区画の公園の南がわ、より立地のよい部分の土地1909㎡の使途も明らかにしていませんが、こうした開発をして複合化したら未利用土地を生み出し、使途を明らかにしていないことはあり得ません。
区の財政が極めてひっ迫しながら対策を取らない大田区の現状、開発の用地の入手困難で大深度法までつくり、無用な開発をしている状況、そしてこの未利用だけれど、マンション開発などに最適な土地を余らせている状況をみると、今後財源確保のために、売却貸し出し、共同開発をする可能性も否定できず、ず、計画性の無い部分も問題で反対です。