大田区議会議員 奈須りえ  フェアな民主主義を大田区から!

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【答弁付き】マイナンバーカードの保険証使用に同意することで飛躍的に広がる個人情報利用 マイナ保険証を使わなくても資格確認書で医療受診できる

2024年10月08日 | フェアな民主主義

 

マイナ保険証のどこに問題があるか、議会で取り上げました。

不利益はないと始まったマイナンバーカードですが、紙の健康保険証廃止の法改正をしてしまいました。

便利と個人情報漏洩ばかりが表に出ていますが、マイナンバーなどで管理される官民情報を、企業が営利目的で使えるよう国家戦略特区法を改正しているのはご存じですか。


問題は、背景のいくつもの規制緩和を知らされず、保険証を廃止してしまうので、ほぼ、強制的に、マイナンバーカードの保険証利用に「同意」することになることです。

いったん、同意すれば、ほぼ自動的に新たな紐づけも同意したとみなされるよう変えたので、企業に情報は使われる情報は飛躍的に広がります。

 

希望すれば、マイナ保険証を使わない選択も可能です。
これは、国民健康保険、後期高齢者医療保険、その他、組合健保、協会けんぽ、共済なども同様です。

 

質問原稿は
下記リンクをご覧ください。

マイナンバーカードの保険証使用に同意することで飛躍的に広がる個人情報利用 

 

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令和6年第3回大田区議会定例会(第2日) 一般質問 奈須 利江議員(フェア民)

 

 

フェアな民主主義 奈須りえです。

 

不利益はないと始まったマイナンバーカードですが、紙の健康保険証廃止の法改正をしてしまいました。

 


根源的な理由で反対している層の理解は得られないから、
保険証を廃止し、マイナ保険証に誘導

 

改正前に、シンクタンク SOMPOインスティチュートプラスが行ったアンケートで、保険証を廃止すべきではないと答えた理由をみると、

保険証発行している現状で特に支障がないからと答えた方は、

マイナンバーカード取得済の方でも半数を超え63%、
取得していない方の75%
取得予定ありでは80%でした。


注目すべきは、

マイナンバーカード取得していて
「現状に支障がない」という消極的な理由や
「使える施設が少ない」と言った実用面での理由をあげる割合が高い一方

取得する予定がない層は、
「個人情報が適切に扱われるか心配
「情報をマイナンバーに一元化したくない」といった根源的な理由をあげる割合が高い。

制度そのものに対して根本的に反対している層の考えを変えていくことは難しそうだ」とシンクタンクが考察していたことです。

 

根源的な理由で反対している層の理解は得られないから、保険証を廃止し、マイナ保険証に誘導した国の姿勢が見えてきます。

やむを得ず同意の
マイナ保険証


マイナ保険証は、マイナポータルから申請し、利用規約に同意しなければ申し込めませんが、利用規約を熟読し納得して同意するというより、12月2日の廃止を前にやむを得ず同意する区民が多いということです。

 

特区で個人情報(仮名加工情報)の営利利用も合法に


しかも、利便性と情報ろうえい等が大きく取り上げられるマイナ保険証ですが、個人情報を企業が営利目的に使えるスーパーシティデジタル田園健康特区との関係は、指摘されません。

 

API開示で企業間に広がる共有する情報

 

スーパーシティで採択された事業を行う企業は、APIというデータを共有するときの鍵を開示することが条件なので、企業間で共有する情報が広がります。

 

デジタル庁のトータルデザインに基づき、情報は分散管理されますが、官民APIゲートウェイを介して、国・地方・民間のデータ連携基盤と接続し、様々なサービスを企業等が支える環境が整いつつあるのです。

 

各政府機関や地方の計約1,100に上る情報システムは、標準化されガバメントクラウドに移行されていますが、ガバメントクラウドの委託先は外資4社です。

 

他の情報と照合しない限り
特定の個人を識別することができない
「仮名加工情報」

 

他の情報と照合しない限り特定の個人を識別することができない「仮名加工情報」という概念を作っているので、住民票コード、マイナンバーなど個人が特定できないランダムな番号で管理されている行政情報は「大丈夫」なことになりますが、

企業が持つ様々な情報と照合することで、個人を特定することも可能です。

 

*仮名加工情報
「仮名加工情報」とは、個人情報を、その区分に応じて次に掲げる措置を講じて他の情報と照合しない限り特定の個人を識別することができないように加工して得られる個人に関する情報をいう。

 

今回のマイナンバーカードの保険証利用で、企業や自治体など保険者は、網羅的に被保険者の個人と個人番号を照合できることになります。

 

オプトアウトでほぼ無制限に広がる
個人情報の第三者提供

しかも、個人情報を持つ本人から直接同意はとらなくても、その本人が反対をしない限り、第三者提供に同意したものとみなすオプトアウトがあるので、使える個人情報は、ほぼ無制限に広がります。

 

岸田首相が約束した
グローバルビジネスを支援するため
デジタル関連法を4万件、一括で改正

 

「国会提出予定法案に係るデジタル原則適合性確認等のための指針」

 

2022年1月のダボス会議で「グローバルビジネスを支援するために何を」という質問に岸田首相は、「デジタル関連法を4万件、それも一括で改正する」と答えました。

 

デジタル庁は、昨年末「国会提出予定法案に係るデジタル原則適合性確認等のための指針」を策定し、この指針一つで、既存・新規すべての規制の目視、実地、対面、書面掲示、訪問などリアルな手続きを見直しデジタル化するとしています。

 

4万件一括改正とは、このことだったのでしょう。

 

市民カードでマイナンバーに紐づく
自治体住民サービス
=図書館で借りる本、誰に投票するか、学校の成績、、、

 

今回の保険証に加え、運転免許証や口座が紐づき、国が考えている市民カードで、固定資産、図書館の借りる本、誰に投票するかの選挙情報、学校の成績ほかの自治体住民サービスが紐づけば、番号管理される情報が飛躍的に拡大する可能性がありますが、

 

いったん利用者がマイナポータルで同意すれば、その後、ほぼ自動的に新たな紐づけも同意したとみなされるよう規約を変えたので、企業に情報は使われ続けます。

 



マイナンバーカードの保険証利用に合意すると
グローバルビジネスが利益をあげるしくみに合意



岸田首相は、デジタル化でビジネスを支援すると言いましたが、民営化どころか、市場経済も公共分野もガバメントクラウドで、グローバルビジネスにデジタルで掌握され、税や保険料や所得から利益を払わされ続けます。

 

私たちは全体像を知らされませんが、このマイナンバーカードの保険証利用に合意すると、グローバルビジネスが利益をあげるしくみに合意することになるのです。

 

個人情報の営利利用や一元管理に身に覚えがあったから、国は保険証を廃止しマイナ保険証に強制誘導したのです。

 

そこでうかがいます。

質問

国は、マイナ保険証の同意は求めますが、判断に必要な情報は、あまりに限定的で、区民はその不利益を知らされません。大田区は、区民がマイナ保険証に同意する前に、マイナス情報含めこのことを区報等で区民に知らせるべきではないですか。

 

答弁

国が進めるスーパーシティ構想は、生活全般にまたがる複数分野の先端的サービスの提供や、データ連携、あるいは大胆な規制改革を行うとともに、住民が参画し、住民目線で、2030年を目途とした未来社会を先行実現することを目指している。

また、国内では、つくば市と大阪府・大阪市が特区認定されている。

本構想の特区指定基準として、区域指定応募前の住民の意向把握と、データ連携基盤の安全管理基準の適合性及び個人情報の適切な取扱いが定められており、全てのデータが活用できるものではないと認識している。

一方で市民カード化構想は、図書館カードや印鑑登録証、書かない窓口など、多様な行政サービスをマイナンバーカード1枚で受けられるほか、様々なシーンにおいて持ち歩き、安全・安心に利用できるものである。

市民カードで利用できるサービスについては、ICチップ部分、いわゆる電子証明書に、直接情報を載せることはなく、必要な際にマイナンバーを介して、各機関が保有する情報にアクセスし、確認を行うものである。スーパーシティ、市民カード、いずれの場合においても、取り扱う特定個人情報は、法令や条例で定める事項を除き、幅広く利用することはできない。

こうした大前提のもと、マイナンバー制度は行政の効率化、国民の利便性向上、公平・公正な社会を実現するための社会基盤である。区では適切な個人情報の管理と、区民への正しい理解を図るとともに、引き続き、マイナンバーの利活用を推進していく。

 

 

 

 

雇われる立場の区民は、雇い主等からマイナ保険証にするよう言われれば、断ることは簡単ではありません。



デジタル化で
価値観だけの民主主義に




岸田首相は、ダボス会議で「民主主義の普遍的な価値観を守りながら、新しい時代に向けて経済社会を大きく変換していく」と言いました。

新しい資本主義です。

 

選挙という住民サービスまでデジタル化され、誰に投票するか番号管理される日が来れば、普通選挙という民主主義の価値観は守れても、経済社会に対し、批判的な選択はできずフェアな民主主義は守れません。

 

マイナ保険証がなくても
資格確認書で医療は受けられる

質問

区民の主権を守るため、大田区は、住民福祉を守る全体の奉仕者として、マイナ保険証がなくても、資格確認書によりそん色なく医療は受けられることを区民に知らせるべきではないですか。

 

それとも、マイナ保険証は強制なのですか。

 

答弁

 

国は、データに基づくより良い医療が受けられることや、高額医療費の上限額を超える支払いの免除、確定申告における医療費控除の簡素化など、様々なメリットがあるとして、マイナ保険証の活用をより一層促進するとともに、6年12月2日をもって健康保険証の新規発行を終了することとしている。

一方、マイナ保険証の取得や利用について
は、あくまで被保険者の任意である。

マイナ保険証を持たない方でも、確実に必要な保険診療を受けることができるよう、資格確認書を交付するとしている。

区としては、健康保険証の新規発行終了や資格確認書の交付などについて、既に区のホームページ、デジタルサイネージなどで広報しているほか、国民健康保険被保険者全世帯に対し、加入者情報のお知らせを6年9月末に送付し、案内する予定である。

なお、他の医療保険の保険者においても、同様の対応が求められると聞いており、適宜、被保険者への周知が進められていると承知している。

区は、国民健康保険の保険者として、引き続き、国の動向を注視するとともに、区民が確実に必要な医療を受けられるよう、基礎自治体として適宜適切な対応を行っていく。


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