大田清掃工場は、2期にわけて建て替え工事を行う予定になっていますが、第1期に行われる予定だった灰溶融炉の建設を、ごみ量が減少していることから、第2期に延期し、その間に、一般廃棄物処理基本計画の改定を行いごみ量予測を見直すとともに、灰溶融炉の建設もその結果を踏まえて行うことになったと都市整備委員会に報告がありました。
これまでも指摘されてきた東京23区清掃一部事務組合(一組)の過大なごみ量予測ですが、ようやくここにきて、ごみ量実績と予測とのかい離が見直されようとしています。
清掃工場を維持管理する東京23区清掃一部事務組合では、「一般廃棄物処理基本計画」の中で、今後のごみ量を予測し、そのごみ量予測に基づいて清掃工場の建設計画をたててきました。
一方、23区各区でも、ごみ量予測をしてきましたが、これまで、一組と23区とのごみ量予測は大きく異なってきました。
結果として、過大な施設整備計画(清掃工場の建設計画)になっていたわけですが、それが、今回ようやく見直されることになったことは、遅きに失した感はありますが、また、どこまで、どの程度と言う疑問はあるものの、評価できるものです。
清掃工場建設や維持管理、焼却処理などの費用である23区の「一組分担金」は、ゴミが減るなか、今後も増えていきます。
経済状況の悪化に加え少子高齢化が進み、自治体財政は、今後、ますます、厳しくなっていくでしょう。そうした状況の中で、清掃費用が毎年上昇することが許されるはずもありません。
一組では、庁内の「溶融処理技術検討委員会」と一般廃棄物処理基本計画の改定作業結果を踏まえて灰溶融整備を行うとしています。
しかし、ごみ量予測と実績のかい離を回避するためにも、一組内部だけでなく、23区各区と区民を交えた組織での検討が必要です。