大田区議会議員 奈須りえ  フェアな民主主義を大田区から!

◆無断転載禁
◆連絡先 office☆nasurie.com(☆→@
◆メルマガ希望はメールで 追って連絡します

大田区が空港まちづくり本部新設で強力に推進したいこと~区民不在・事業者のための規制緩和~

2015年06月25日 | ├行政システム・公共調達

大田区は、組織改正が大好きです。次々新しい部を作りますが、それによって、子育て介護障がい教育の課題解決が進んだという話しは聞いたことがありません。

今回は、跡地開発のために「空港まちづくり本部」を新設すると言います。
しかも、期の途中で。                                         

みなさんは、どう思われますか?

_________________________________________

この条例改正は、現在まちづくり推進部に入っている空港まちづくり担当部および、空港まちづくり担当課、空港まちづくり基盤課を廃止し、空港街づくり本部を新設し、他部に属するものを除く空港対策、および空港跡地利用に関することを所管させるものです。

今回の議案が上程された時点で、組織改正案を提出した区長部局に対し、議案提出に際しての大田区の姿勢を明らかにするため、次のような質疑を行っています。大田区の答弁は青字。


1.なぜ、7月1日という中途半端な時期なのか

空港跡地利用については、かねてよりの大田区で取り組んでおり、年度当初の組織変更で対応できたものですが、なぜ、このような中途半端な時期に組織変更するのでしょうか。

跡地開発について、区長選挙により区民の明確な意思が示されたからこの時期に組織改正する。


2.新しい部を作ることによる「区民のメリット」をどう考えているか

空港跡地利用は、先日公表された羽田空港跡地第1ゾーン整備方針にも、国際戦略総合特区、国家戦略特区の区域として位置づけられていると記されています。

国家戦略特区による経済政策は、規制緩和による事業を行うことで経済的利益を得る民間事業者が、区域会議において提案し決定していくしくみです。

実際、東京都知事、神奈川県知事、成田市長は参加していますが、大田区は国家戦略特別区域会議にはこれまで一度も参加できていません。

雇用、医療、税制、まちづくり等々、ありとあらゆる規制緩和が対象になっていますが、経済政策ですから、それにより、雇用が流動化し不安定になったり、賃金が下がったり、医療保険料があがったりしても、売り上げが上がる、投資利益が増えるなどにより評価されることになります。

こうした、大田区の関与が極めて困難なしくみのなかで、大田区が、新たに部を作ることの区民メリットについて、大田区がどう考えているとか、見解をお示しください。

組織としての権限と責任が明確になり迅速かつ的確なな意思決定ができる。
これによって、
空港対策、空港跡地利用の各種施策を強力に推進する体制が整備できる。

_____________________________________

この答弁をふまえ、組織改正の議案は行っても区民のメリットが無いと考え以下の理由から反対しました。


84号議案「大田区組織条例の一部を改正する条例」について反対の立場から討論いたします。

この条例改正により、現在まちづくり推進部に入っている「空港まちづくり担当部」を廃止し、「空港まちづくり本部」を新設することになります。

【権限と責任が明確になり迅速的確な意思決定は行えるか】

大田区は、「空港まちづくり本部」ができることで、権限と責任が明確になり、迅速的確に意思決定できると説明しましたが、一つの部ができれば、たとえ、それがどんなに小さな人員であっても、それに伴い、予算の編成など、いってみれば一つの会社ができたに等しく、様々な新しい手間がかかります。

松原区長になり、担当部長課長職などが増え、組織が細分化してきました。

組織が細分化されれば、セクショナリズムにはしり、責任体制はあいまいになり、部署間の調整に手間と時間がかかり、結果として非効率的で肥大化した組織になりはいないでしょうか。


【部を作る基準はどこに?1/2の予算をしめる高齢、障害は一つの福祉部、保育は課】

ところが、大田区の予算の約1/2を占める福祉は、高齢、障害まとめて福祉部。認可保育所を60もかかえ認証、小規模保育所など様々な形態の保育が存在し、待機児が喫緊の課題と言われている保育分野も部を作らずにきています。

その一方で、跡地は部にすると言いますが、部を作る基準はいったいどこにあるのでしょうか。

 


【選挙前と活用方針を大幅に変えながら、選挙で区民の明確な意思?】

しかも、区長選挙により、区民の明確な意思が示されたと言いますが、区長選挙後に跡地活用の在り方を大幅に変えています。

選挙後に変えた、箱モノ整備から、国家戦略特区を活用した医療特区を思わせる研究開発拠点整備などにシフトした新しいプランを、区民の明確な意思と言うには無理があります。しかも、そのなかみは、区民の医療、雇用、教育、まちづくり、入国審査要件など区民生活に大きな弊害をもたらす可能性がある事業者主導の規制緩和による経済政策です。

仮に、迅速な意思決定が行えるとすれば、大田区の組織内では無く、特区の区域会議の中で、ということになります。


しかも区は、

空港対策、空港跡地利用の各種施策を強力に推進する体制が整備できる。

と言っています。

区民生活に弊害をもたらす可能性がある事業を、手間ばかりかかる新しい部を作って行う大田区の姿勢には疑問があり反対といたします。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。