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入所を断れる理由とは/実態を反映していない「大田区特別養護老人ホーム」優先入所基準について(その③)

2009年03月04日 | ├社会保障

この議会質問を動画で見られます→こちらから

【入所を断れる理由とは】
  指定介護老人福祉施設の(人員、設備及び)運営に関する基準4条に、「指定介護老人施設は正当な理由なくそのサービス提供を拒んではならない」とあり、正当な理由として、厚労省は、「入院治療の必要がある場合その他入所者に対し自ら適切な指定介護福祉施設サービスを提供することが困難な場合」としています。

 そして、入所申込み者に自ら適切な便宜を提供することが困難である場合=つまり受け入れられない場合には、適切な病院・老健施設を紹介するなどしなければならないと定められています。

 しかし、身寄りのないひとり暮らしの高齢者の場合、後見人制度が必要になったり、本来、家族などが行う病院への付き添いをしなければならないなど、施設側の手間がかかるため、私立特養では入所を受け入れないケースも少なくなく、結果として区立特養が受け入れている場合もあると聞いています。

 たとえ、必要性が反映された優先順位名簿ができても、施設が受け入れなければ、入所することはできないのです。

 先ほどの胃ろうを必要とする方の割合も、区立特養では26%ですが、私立特養は14.6%と11.4%も低くなっています。

 仮に、私立特養が、その経営効率のために優先者名簿に記載された入所希望者の入所を断っているからこの数値の差がでてくるとするならば、それは、大きな問題です。

 「おひとり様の老後」という本がベストセラーになりました。大田区男女平等推進センターエセナでもいつか来るおひとりさまの老後を乗り切る知恵と工夫と題した講座が企画されているなど、今後、非婚や子どものいない方など、家族などの介護を受けず一人で老後を迎える高齢者が益々増えることが予測されます。

 厚労省のサービス提供を拒む正当な理由「(入院治療の必要がある場合その他)入所者に対し自ら適切な指定介護福祉施設サービスを提供することが困難な場合」が拡大解釈され、入所が行われているとするなら、それは大きな問題です。

 私立・区立の医療的ケアの必要な方の割合の違いをどのように区はとらえ、今後どのように対処していくのでしょうか。


なかのひと

 


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