(1)首相が自身初めての米国公式訪問(formal visit in USA)でワシントンを訪れている。 普天間基地移設先問題は米国議会の参入で予算凍結に日米防衛ロードマップの発表も遅れて今回の重要テーマともならずに、10年の日米安保条約改定50周年時に発表するはずだった日米共同声明が当時の日本政府と米国との普天間問題を巡るあつれきによる関係悪化で延び延びになっていたものを、今回発表し日米関係改善修復するためのそれ以外に特に解決できる重要課題(重要課題はいっぱいあるが)もない公式訪問だ。
米国は今年は大統領選の年で、国内経済の停滞が続くオバマ大統領によっては不利な選挙戦とも予想されて、対外政策において柔軟な姿勢を取りようもなくて日本にとっては外交成果など期待もできようもない米国事情だ。
(2)普天間問題の処理を巡って日本国内(沖縄の反対)事情と米国議会の干渉が米国政府の足かせとなっており、日米防衛協力の強化を強調することで日本への責任分担の強化を求めたものだ。
中国の東シナ海進出阻止という共通課題の中で、日米安保条約、軍事同盟の抑止力は「日本の取り組みによって強化される」と日米防衛ロードマップの共同文書で明文化して、「沖縄」が米国の極東戦略、世界戦略の発進基地であることを印象付けたものとなった。
(3)平和憲法のもとで日米安保条約にもとづく日米軍事同盟で国を守る構想が「ゾーン・ディフェンス(zone defense)」専守防衛から、即応、機動性重視の「動的防衛力(dynamic defense power)」の攻撃的防衛力構想に転嫁して、米国の役割を極東戦略、世界戦略に振り向けて日本への自主防衛責任の分担を強めてきたものだ。
米国の外交戦略、対立軸の中心は、経済発展、巨大市場の中国との関係にシフトされて日本はその足掛かり、中継地としての役割に変化してきている。
日米安保体制も「沖縄」も米国の対中国戦略の拠点化としての位置づけ、変化として役割することを今回の日米防衛協力(動的防衛力)強化が示している。
(4)日本の政治力の不足は国際政治、外交のステージでは存在感を失い、たびたび都合のいい負担増、強化を求められる経験をしている。
国民に十分な説明責任を果たさない中、国際政治のステージでいきなり財政規律の安定化のための消費税増税を約束させられたり、今度は日米軍事同盟強化のための「日本の取り組みの強化」方針だ。
平和憲法のもとでの日本の自衛力の限界の中での日米安保体制のはずが、一層の日本の抑止力の取り組み強化、米国の極東戦略、世界戦略への加担というシナリオに置き換えられようとしている。
(5)解決できる重要課題(重要課題はいっぱいあるが)もない、時期も適切でない首相の米国公式訪問で背負わされたのは、米国の極東、世界戦略の一翼だった。沖縄解決がまた複雑化する。
米国は今年は大統領選の年で、国内経済の停滞が続くオバマ大統領によっては不利な選挙戦とも予想されて、対外政策において柔軟な姿勢を取りようもなくて日本にとっては外交成果など期待もできようもない米国事情だ。
(2)普天間問題の処理を巡って日本国内(沖縄の反対)事情と米国議会の干渉が米国政府の足かせとなっており、日米防衛協力の強化を強調することで日本への責任分担の強化を求めたものだ。
中国の東シナ海進出阻止という共通課題の中で、日米安保条約、軍事同盟の抑止力は「日本の取り組みによって強化される」と日米防衛ロードマップの共同文書で明文化して、「沖縄」が米国の極東戦略、世界戦略の発進基地であることを印象付けたものとなった。
(3)平和憲法のもとで日米安保条約にもとづく日米軍事同盟で国を守る構想が「ゾーン・ディフェンス(zone defense)」専守防衛から、即応、機動性重視の「動的防衛力(dynamic defense power)」の攻撃的防衛力構想に転嫁して、米国の役割を極東戦略、世界戦略に振り向けて日本への自主防衛責任の分担を強めてきたものだ。
米国の外交戦略、対立軸の中心は、経済発展、巨大市場の中国との関係にシフトされて日本はその足掛かり、中継地としての役割に変化してきている。
日米安保体制も「沖縄」も米国の対中国戦略の拠点化としての位置づけ、変化として役割することを今回の日米防衛協力(動的防衛力)強化が示している。
(4)日本の政治力の不足は国際政治、外交のステージでは存在感を失い、たびたび都合のいい負担増、強化を求められる経験をしている。
国民に十分な説明責任を果たさない中、国際政治のステージでいきなり財政規律の安定化のための消費税増税を約束させられたり、今度は日米軍事同盟強化のための「日本の取り組みの強化」方針だ。
平和憲法のもとでの日本の自衛力の限界の中での日米安保体制のはずが、一層の日本の抑止力の取り組み強化、米国の極東戦略、世界戦略への加担というシナリオに置き換えられようとしている。
(5)解決できる重要課題(重要課題はいっぱいあるが)もない、時期も適切でない首相の米国公式訪問で背負わされたのは、米国の極東、世界戦略の一翼だった。沖縄解決がまた複雑化する。