いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

自然(原始)回帰論。 genesis recurrence theory

2012-05-06 19:31:02 | 日記
 (1)登山歴のベテラン(veteran)で高令者の夏山遭難事故が相次いでいる。夏山は気候、気温の変化が激しくて、毎年のように遭難事故、とりわけ夏山登山特有の軽装備による遭難事故が報道されて注意も喚起されてきた。

 にもかかわらず、今回は健康管理の専門家医師グループの遭難事故だ。これが「人間」というものだろう。人間の持つ能力の限界を示すものかも知れない。こういう事例を引き合いに出すのは忍びないが、仮に夏山の突然の気候変動は予測し難いものだとしても、これほど毎年のように注意を喚起しても高令者の夏山の軽装備登山の悲劇があとを絶たないのは、登山歴ベテラン高令者にありがちな「自分だけは」の経歴偏見、過剰意識による唯我独尊だ。

 (2)知識や経験が人間を高めることもあれば、大切なものを見失う精神性(おごり)もある。まして相手は巨大な畏怖(いふ)の「自然」だ。
 自然は「人間(性)」を写す鏡でもある。昨年3月11日の自然の脅威を経験して、科学、経済、軍事で地球環境を破壊してきた人間社会は、地球温暖化による自然界からの逆襲に脅(おびや)かされている。

 地球温暖化対策として人間社会が向き合うのは、やはりさらなる先端的科学技術の裏付けによる温室効果ガス抑制策であった。その原発がパラドックス(paradox)として人間社会を半永久的に破壊しようとしているのも皮肉な結果だ。

 人間の高度に繁栄した社会の「自分だけは」の過剰意識による唯我独尊への自然からの警告と受け取るべきべきだ。

 (3)日本では、この狭い国土を1周するように囲むように54基もの原発が、気が付いたらつくられて環境にやさしいとか言われて自画自賛し、都市集中の電力(消費)を供給していた。

 5月5日、子どもの日に国内54基の原発すべてが稼働停止した。脱原発への未来社会に向けた進歩、成長してきた人間社会の結局出した解答(solution)としては、ふさわしい日の出来事となった。

 この日までに大飯原発再稼働による原発神話の継続を目論んだ政府の思惑も、ここでは自然の脅威への国民の警戒感をくつがえすことは出来なかったのだ。

 (4)冒頭の夏山登山悲劇を毎年くり返すようなことは、「ここ」ではくり返すことは出来ないのだ。
 科学の進歩、継続性から人間の未来社会は「先端的科学技術社会(extreme science society)」の一面が強調されるが、自然への回帰、原始回帰論(genesis recurrence theory)も、もう一面にシンメトリー(symmetry)として必ず起きる現象だ。

 高度化と対峙の原始化志向だ。全原発稼働停止の日を機会に考えてみたい。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする