いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

宗教団体の改憲署名運動。 a campaign to obtain signatures of a constitution revision

2016-05-04 19:37:37 | 日記
 (1)昨日の憲法記念日は安倍首相がG7各国の歴訪に出かけていたせいもあるのか、ここ近年ほどに第9条改正の憲法改正問題が話題にならなかったように思う。
 注目されたのは熊本地震対応との関連で「大災害や有事の際に強力な権限を与える」緊急事態条項を憲法に条文化するという話で、安倍首相が憲法改正に着手する手がかりとして意欲を示しているものだ。

 東日本大震災や熊本地震での復旧、復興の遅れが政府と被災自治体との連携、法律、権限が障壁となっているとして、政府に権限を集中して一元的に復興を進めるための憲法改正論議だ。

 (2)有識者からは現在の法律でも対策は可能だとして、緊急事態条項はかえって憲法をしのぐ非常権限を政府に与えることになるもので反対の意見が多く、メディアの自治体への同アンケートでも「必要」と回答したのは「1町」のみでほとんどが現行法律で対応できると回答している。

 たしかに東日本大震災では被災自治体への復興予算が数兆円規模で積み残しとなって使われずに、しかし復興は遅れたままというパラドックス(paradox)が続いている。

 (3)復興予算の使途について制限が多く、政府と被災自治体間の意思疎通の悪さ、被災地の実情、要望を理解、把握しないステレオタイプ(stereotype)な政府の予算執行、権限主義が招いたもので、緊急事態条項の問題でもない。

 熊本地震でも河野防災担当相は屋外避難の早期解消を求めたが、地元自治体では建物崩壊の恐れで避難所、自宅などに戻れない実情があるとして政府と被災自治体、住民との意識、現状認識のズレがあきらかとなっている。

 (4)憲法改正を求める団体の署名活動が全国で700万人に達した報道があって、神社の氏子(うじこ)が動員されて中心になって憲法改正賛成の署名集め(a campaign to obtain signatures of a constitution revision by a religious organization)に回った話題があった。

 地元の人は「神様からお願いされているようで断りづらい」(報道)と述べている。政教分離の理論、理念は思想、信条の自由、表現の自由を保障する憲法理念により政治に宗教を反映しない基本理念とされているもので、政治の独自性、独立性を保障する憲法原則である。

 (5)もちろん宗教人にも等しく国民としての参政権、投票権は保障されており、宗教団体の政治活動が全面禁止されているわけではない。一方で宗教組織は国から税制体系の優遇を受けており、国と宗教組織とは利害共通関係にあることも間違いはない。

 国の現行体制を支持、維持するために宗教組織、関連団体が国策に有利なように働きかけるのは当然に考えられることであり、宗教組織、関連団体をあげての政治支援活動には違和感は大いにある。
 まして「神様からお願いされているようで」の宮司、氏子総動員による署名活動の手法、方法論(methodology)には精神性から問題がある。

 (6)政教分離の憲法原則を考えれば、まして国から税制体系の大きな優遇を受けている宗教組織(関連団体)による政治活動には自ずと制約、自制が必要なことは考えられる。

 宗教を語る宗教組織、関連団体による政治署名活動、政策推進協力、権限力行使などは制約、自制されて当然だ。

 (7)現行制度の憲法改正は衆参3分の2以上の発議で国民の過半数の賛成があれば実現する。その国民賛成、賛同に税制体系で大きな優遇を受ける宗教組織(関連団体)が大きな影響力を行使、示すとなると、まして思想、信条的に近い政治理念の政治指導者への協力となれば利害共通の既得権益政治を支えるものとして、極めて偏向した協力関係として不適切といわざるを得ない。

 (8)政教分離の原則、理念を理解した国と宗教組織の有り様、制約、自制は必要だ。

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