(1)香港議会選(立法会)は中国政府が強制関与して徹底した民主派議員、勢力を排除して、親中派政党議員が定数90のうち89議席を独占して(国民選挙とみせるまやかしのためか1議席は「非親中派」という)圧勝だった。
中国共産党1党独裁国家を見事に香港で再現してみせて、国際社会のひんしゅくを買うだけだった。
(2)日本はどうか。直近のメディア世論調査で自民党支持率が定位置だった30%台を割って27%に低下して、先の衆院選で躍進した野党の日本維新の会が22%と上昇して、近年ではめずらしく自民党と野党の対決ムードの高まりへの期待がみられた。
これはこれで政治に緊張感を生んで、これまでの自民党1強時代での自公政権の退廃、腐敗政治をあらためる効果につながる期待はある。
(3)が、しかし、国民が支持した日本維新の会は共同代表の松井大阪市長が安倍元首相に近く友好関係にあり、憲法改正では自民党理念に近く立憲、共産など野党勢力と距離を置き自公政権の補完勢力ともみられて、自民党からも期待論がある。
国民が日本維新の会を支持したのもリベラルな革新勢力としての野党への期待感ではなく、保守的思想、政治勢力としての日本維新の会に対しての支持だ。
(4)世界的な保守思想、保護主義、内向き理念の台頭の中で、日本においても自民党の支持率が幾分低下した中で支持台頭した日本維新の会は、自民党に近い野党という立場にある。香港議会が親中派一色のつくられた勢力図であるように、日本の政治状況も今まで国民支持が向かなかった(支持率ヒト桁台)野党で22%と台頭したのが他の野党と一線を画して自民党に近い日本維新の会では、保守思想、政治勢力の拡大、膨張がみられる傾向であり国民選択としては香港議会とあまり変わらない。
(5)これにやはり立憲、共産との協力に否定的な国民民主党(支持率3%)が加わり、ますます日本政治は自民党保守思想政治が大勢を占める体制だ。日本維新の会が国民から注目を集めるのは、同党の吉村大阪府知事がコロナ対策で連日のようにメディアに登場して露出してタフさ、積極性、責任感みせて2度ダウンした小池都知事との違いをみせ、政策的には大阪都構想を打ち出して市民には2度否決されたが政策立案、提案能力をみせ(その手法は独断専行で一方的な欠点はあった)、同党の松井大阪市長が先の衆院選で大阪市での税金使途のムダ排除による政治改革、行政改革を維新の成功例として強調して政治に対する積極性、実行性姿勢がそうでない他の野党と区別されて国民の維新支持につながっていると考える。
(6)前述したように政治、政権に対しては批評、批判、対抗勢力が必要で、しかし自民党に近い野党の日本維新の会が国民支持を高める日本の政治は香港議会同様、必ずしも健全とはいえない。