(1)岸田首相はデジタル行財政改革会議で「急速な人口減少」に対応するため、行政システムのデジタル技術化、規制緩和、地域経済の活性化、予算化を進めることを決めた。労働減少でデジタル行政改革は必要だが、一方で少子化対策、子ども手当拡充を進めて財源を「増税」で対応することを掲げており、双方向政策を増税、予算化で進めるというのは行政システムの効率化になるのか、岸田首相は次から次へと政策アドバルーンは打ち上げるが政策ごとの連携、協調、促進につながっているのか、ベクトル(vector)の双方向矛盾はないのか後先、交互に注意、検証が必要だ。
(2)急速な人口減少によるGDP、税収、労働力減少に対応するためにデジタル行革はわかるが、同時に岸田首相が掲げる少子化対策、子ども手当拡充の財源を「増税」で対応するということになれば、デジタル行革の効率化、財政健全化はどうなるのか、あちらを立てればこちらが立たずで政策の方向性がさだまらない。
(3)今春闘の賃上げは3%を達成したが、日銀の大規模金融緩和継続で円安による大幅な物価高騰で実質賃金はマイナスで「成長」とはいえない。岸田首相は昨年度の過去最高の税収増益を国民に還元するとして補正予算で減税するとしたが、賃上げ企業への減税、特許、自社株減税では国民への「分配」とはならない。
(4)政策に論理的な一貫性がなく、その場その場の緊急性(それも重要)にばかり目がいって国民受けを狙った対策を補正予算、増税、予備費で「自由」に進めるだけでは、政策、対策の双方向性の矛盾を抱えて実効性があるのか、考えているのかわからない方針だ。
(5)マイカ問題もそもそも国民の収入をすべて公平に管理して税収をあげるために導入されて、河野デジタル相がデジタル行政が進まないことにあせりデジタル化促進のために紙ベースの健康保険証を廃止してマイカに機能データ化することを突如打ち出して、これそのものは必要なデジタル行政ではあるが制度設計もないまま理解、準備不足の自治体を巻き込んでのひもつけ誤登録が次々と発覚して行政混乱を招いて、岸田首相が今年中のマイカ総点検を指示するという行政ムダを加速させた。
(6)岸田首相の「頭脳」を後先、交互に整理、検証する必要がある。