いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

T メモリアル。 tanimura shinji memorial

2023-10-17 20:35:38 | 日記
 (1)活動を再開したので、アリスの谷村新司さん(74)が亡くなった。74才といえば人生100年時代でまだ若いうちで、谷村さんの最近の活動を考えればまだこれから輝きをみせる存在であっただけに惜しい悲しい知らせだった。

 (2)アリスの谷村さんの名前は、財津和夫さんが後年になって72年デビュー当時の話としてTULIP、オフコース、アリスがまだともになかなか売れない時代にコンサートで一緒に各地を回り、どのバンドが最初にヒット曲を出して売れるのか先を競い合ったということを聞いてからだ。

 (3)今やともに日本音楽界を代表するビッグネームとなり、音楽界の先達として精神的支柱となっている財津和夫さん、小田和正さん、谷村新司さんだ。三者三様の音楽観、手法、作風があり、財津和夫さんは独創性、漸進性、音楽三要素重視でビートルズの影響を強く受けた英国音楽、小田和正さんはもともとフォークで出発してアメリカンフォークのシンプルでコーラスワーク重視、谷村新司さんは報道にもあるように母親が三味線が得意だったとあり、日本の和音の影響を受けた作品が印象的だ。

 (4)三人の音楽家の中では谷村さんは歌謡曲に近い音楽性で、スケールの大きな抒情詩的な作風が持ち味だった。人間的にもどちらかといえば個性の強い二人に比べてみるからに平均的な安定性のある日本人的感性がみられて、ヒット曲の「チャンピオン」でもボクサーを歌った強い表現のアップテンポの曲調の中にも一貫してやさしさ、ぬくもりが感じられる日本的曲調が出てくるものだった。

 (5)谷村さんはアジア、中国からも支持を受けて国際的な活動の場を拡げて、日本では小児がんなど病気と闘う子どもたちの支援コンサートにホストとして出演、支援してきたのは、谷村さんの人間性、社会性を伝えるものだ。
 これからも国際的、社会的活動の場をさらに拡げる貢献が期待されただけに、惜しい早逝だった。

 (6)アリスの音楽性は個人的にどうだったかといえば、答えにくいところもあるが、72年デビュー当時まだ売れない三人の音楽家同士で多分希望だけに燃えて切磋琢磨した姿が思い浮かばれて、谷村新司さんがいなくなったのを惜しむだけだ。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする