いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

政治的風土病。 political endemic

2023-10-20 20:02:29 | 日記
 (1)突然、ハマスがガザ地区から越境してイスラエル側に軍事侵攻して人質を取り、これにイスラエルがガザ地区を空爆攻撃をして地上部隊がガザ地区を侵攻攻撃すると宣告する緊急事態の中で、日本政府はイスラエルの邦人を近隣国に避難させるために用意したチャーター機の利用に搭乗希望の邦人から3万円を請求したことがわかり、批判がでている。

 (2)同時期、韓国軍のソウル行き輸送機にも邦人、家族51人が搭乗したとの情報があり、退避のために政府が用意したチャーター機にはわずか8人(報道)の搭乗だった。隣国として日本人51人を輸送した韓国(軍)には感謝しかないが、一方で搭乗者に3万円を請求した日本政府のチャーター機には搭乗者8人では政府の緊急事態での対応の不自然さが目につき、自民党外交部会でも「なぜ韓国機は51人で、日本は8人だけなのか」と説明を求める声が上がっている。

 (3)日本政府は航空券を自費で購入して出国した人との公平性から運賃負担を求めたと理解を求めたといわれるが、突然の戦闘での国外退避に際しても運賃負担の「公平性」を論ずるなど言葉は悪いし、今や使ってはいけないが日本の「平和ボケ」というしかない不自然さだ。

 (4)どうしてこんなことになったのかの政治的風土病(political endemic)はこれまでもあった。福島第一原発事故での政府が退避勧告をする前に危険を感じて自主避難した住民は、東電の賠償責任対象から除外されるということが公然と実施されて、さすがに批判を受けて撤回せざるを得なかった。

 (5)黒い雨訴訟でもある地域は当時は雨ではなく晴れだったことをあげて政府の被害賠償の対象外とされて、戦後、原爆投下から78年たってようやく訴訟の結果すべてが賠償対象となるということがあり、またチッソの水俣病発症でもある地域の外の魚介類を食べて発症した住民には賠償対象外にするということが公然と行われて、差別的理念が強かった。

 (6)国民投資(税負担)が賠償原資となることから公平、公正性に偏る(bias)あまりに状況を顧みない政府の合理主義であり、これも表現は適切ではないが少々こっけいにみえる何でもかんでも同じ論理、基準での公平、公正、平等性重視であり、差別化だ。

 (7)日本社会の律義さ、国民性といえばそうかもしれないが、政府が何も考えないで通り一辺倒の対応を公平、公正、適正、平等と考えて実施する無分別な安全策、責任のおかしさがみえて、状況に合わせた本質的で適切、適正な安全策、責任がおろそかになっている。
 沖縄米軍基地問題訴訟の国寄りの裁判判断、判決が続くが、そうした理念、考え、社会的、政治的風土病が冒頭のおかしな対策の「平和ボケ」にあらわれている。
 

 

 

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