(1)ガザ地区ハマスがイスラエル側に突如侵攻したのを受けて、イスラエルが地上部隊をガザ地区に向かわせる宣告をして猶予としてガザ地区民間人の避難、退避のために侵攻時間を区切って、100万人といわれるガザ地区パレスチナ人が避難の移動(報道)を始めた。
(2)あの狭いガザ地区でイスラエルによる「天井のない監獄」といわれる封鎖状態を強いられてきた地域に、これほどのパレスチナ人が居住し、生活していたのかと今更ながら驚いている。イスラエルとエジプトに挟まれて西は地中海に面しているが南はエジプト検問所があり、自由な往来はできない中での日常生活は想像もできない不自由、圧迫されたものなのだろう。
(3)ガザ地区の社会インフラがどんなもので、経済活動はどうなっていて、住民の収入はどこからどれぐらいで、イスラエルの封鎖が続き天井のない監獄といわれるガザ地区の社会の仕組み、数百万人のガザ地区住民の日常生活はなかなか理解することはできない。
しかし、イスラエルの地上侵攻の宣告を受けても報道によるとハマスなどガザ地区から退去することはしないと表明している。
(4)EUはヨルダン川西岸地区の比較温厚なパレスチナ自治政府のパレスチナ人の低所得者層への支援をしているが、戦闘的といわれるハマスが実効支配するイスラエルによる封鎖状態が続くガザ地区民間人に対する支援はどうなっているのかわからない。
エジプトもパレスチナ人避難者の大量流入による社会的混乱を防ぐために検問所での検閲を強化(報道)しており、行き場のないガザ地区住民の現状だ。
(5)パレスチナ自治区でもガザ地区はヨルダン川西岸のパレスチナ自治政府が支配する地域とは離れた「飛び地」(a detached estate)であり、米ソ冷戦時代に世界が経験した「ベルリンの壁」の苦い、苦しい悲劇の暗黒歴史と同じ構図でこれを経験した世界がこの現状に対して何ら解決策、方法論(methodology)を持たない、放置してきたツケ、責任は大きい。