(1)先日亡くなった元ヘビー級プロボクシング世界チャンピオンのムハマド・アリ(Muhammad Ali)さんは、米国名カシアス・クレイとして蝶のように舞い、蜂のように刺すといわれる重量級ボクシングにスピードとアウトボクシングのテクニックを持ちこんで、ビッグマウスといわれる計算された口撃手法で相手、マスコミを挑発してKOラウンドを予言してみせて、そのとおり相手を倒して世間を驚かせてきた。
ヘビー級プロボクシングも格闘技でなくスポーツだと実証してみせたクレバーな天才ボクサーだった。
(2)そのカシアス・クレイさんがローマ五輪ボクシングで金メダルを獲得しながら、母国米国に帰国すれば当時まだ人種差別社会の中で黒人として差別待遇を受けて、ほどなくして彼はイスラム教に改宗してムハマド・アリと名乗ることになる。
当時の米国社会ではイスラム教はそんなに頭角をあらわしているわけではなくて、カシアス・クレイさんのイスラム教への改宗について少なくとも日本では注目、話題を集めるほどのことはなかった。
(3)むしろベトナム戦争徴兵拒否への信念、信条として利用しているのではないのかの疑問はあったが、彼は実力絶頂期の3年間を世界チャンピオンのタイトルをはく奪されて刑務所に収監されることになる。
米国ではムハマド・アリさんのベトナム戦争反対、人種差別抗議の信念、信条は社会では高く評価されていたことが今回亡くなってよく知らされた。
晩年はパーキンソン病を患(わずら)って身体能力不自由の中で公に登場することは叶わなかったが、仮に米国発のイスラム教徒として世界平和のために絶大な知名度、人気、影響力で果たす役割に大いに期待できたのではなかったかと残念でならない。
(4)その米国では移民の子でイスラム過激思想に影響を受けたと見られる若者による重火器によるナイトクラブ襲撃で49名が殺害され、あわせて100名近くが死傷するという米国史上最悪(報道)の事件が起きた。
オバマ大統領はテロ事件と断定して、米国で頻発する市民を狙った銃襲撃事件とは画して批難した。米国社会でベトナム戦争、人種差別に抗議、反対してイスラム教に改宗したムハマド・アリさんの意思、信念、信条は、今日的米国社会では十分に顧(かえり)みられていない現実を思い知らされる。
(5)ムハマド・アリさんが今日的世界のイスラム過激思想による一般市民を狙った国際的なテロ事件が頻発する事態について、どう感じて考えていたのかは知る由もないが、ビッグマウス、予言者(prophet)として元気だった頃であれば一家言あったのではないのか。その影響力は捨てがたいものであったろう。
米国社会とイスラム社会の融合について果たす役割についてムハマド・アリさんの存在に期待して、今は叶わないことが重ねて残念でならない。
(6)オバマ大統領は長年国交断絶していたキューバと歴史的な和解、国交回復を果たして、イスラム社会との対立の原点となっていたイランとも協調関係を築きつつある。
米国の中東紛争地域からの軍事力撤退はISなどのイスラム過激思想国際テロ組織を拡大させたとの批判、批難はあるが、そうともばかりではない。
あとは米国がイスラエルをどう裁くのかの最大の中東問題の課題、問題がカギだ。ムハマド・アリさんの遺志(Muhammad Ali's dying wishes)があるとすれば、報われることを願うばかりだ。
ヘビー級プロボクシングも格闘技でなくスポーツだと実証してみせたクレバーな天才ボクサーだった。
(2)そのカシアス・クレイさんがローマ五輪ボクシングで金メダルを獲得しながら、母国米国に帰国すれば当時まだ人種差別社会の中で黒人として差別待遇を受けて、ほどなくして彼はイスラム教に改宗してムハマド・アリと名乗ることになる。
当時の米国社会ではイスラム教はそんなに頭角をあらわしているわけではなくて、カシアス・クレイさんのイスラム教への改宗について少なくとも日本では注目、話題を集めるほどのことはなかった。
(3)むしろベトナム戦争徴兵拒否への信念、信条として利用しているのではないのかの疑問はあったが、彼は実力絶頂期の3年間を世界チャンピオンのタイトルをはく奪されて刑務所に収監されることになる。
米国ではムハマド・アリさんのベトナム戦争反対、人種差別抗議の信念、信条は社会では高く評価されていたことが今回亡くなってよく知らされた。
晩年はパーキンソン病を患(わずら)って身体能力不自由の中で公に登場することは叶わなかったが、仮に米国発のイスラム教徒として世界平和のために絶大な知名度、人気、影響力で果たす役割に大いに期待できたのではなかったかと残念でならない。
(4)その米国では移民の子でイスラム過激思想に影響を受けたと見られる若者による重火器によるナイトクラブ襲撃で49名が殺害され、あわせて100名近くが死傷するという米国史上最悪(報道)の事件が起きた。
オバマ大統領はテロ事件と断定して、米国で頻発する市民を狙った銃襲撃事件とは画して批難した。米国社会でベトナム戦争、人種差別に抗議、反対してイスラム教に改宗したムハマド・アリさんの意思、信念、信条は、今日的米国社会では十分に顧(かえり)みられていない現実を思い知らされる。
(5)ムハマド・アリさんが今日的世界のイスラム過激思想による一般市民を狙った国際的なテロ事件が頻発する事態について、どう感じて考えていたのかは知る由もないが、ビッグマウス、予言者(prophet)として元気だった頃であれば一家言あったのではないのか。その影響力は捨てがたいものであったろう。
米国社会とイスラム社会の融合について果たす役割についてムハマド・アリさんの存在に期待して、今は叶わないことが重ねて残念でならない。
(6)オバマ大統領は長年国交断絶していたキューバと歴史的な和解、国交回復を果たして、イスラム社会との対立の原点となっていたイランとも協調関係を築きつつある。
米国の中東紛争地域からの軍事力撤退はISなどのイスラム過激思想国際テロ組織を拡大させたとの批判、批難はあるが、そうともばかりではない。
あとは米国がイスラエルをどう裁くのかの最大の中東問題の課題、問題がカギだ。ムハマド・アリさんの遺志(Muhammad Ali's dying wishes)があるとすれば、報われることを願うばかりだ。