いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

都知事のおかしな流れ。 trend of the metropolitan governor

2016-06-14 20:04:50 | 日記
 (1)大都市の首長はかっては政府機関の官僚出身とりわけ地方自治体との窓口関係にある(旧)自治省出身者が多くて、行政手腕の手堅さ、経験、政府行政機関との強いつながりが買われて支持を受けていた。

 政府行政機関とのつながりの強さ、深さは一方では国の規制管理、統治が強くなることでもあり、政府のいいなりに従うことも多くて住民の不満も買ってきた。

 (2)そこへ大都市圏への一極集中で人口増加が進み、大量得票の見込める知名人、文化人、学者の首長起用が主流、風潮(trend)になっていく。
 政府行政機関のいいなり、統治に不満を持つ大都市圏の多くの住民の期待、要請を背景としているので、大都市の権能、機能を背景として政府(ほとんどが地方、農業団体の厚い支持を受けた自民党長期政権時代)行政機関に対抗軸を持つ革新的な独自の理念、政策を打ち出して住民の高い人気、支持を受ける形態が一般化した。

 (3)当時から財政、税体系(地方交付金)で国による地方統治政治の中で、財源不足の地方政治、自治体は国の方針に従うしかなかった地方自治体でも、大都市圏は人口過熱で財政的余裕もあって国の方針とは画した独自の地方行政、政策を打ち出すことができた。

 自然に首長としての資質以上に支持を得やすい名声、人気に偏向して大都市圏の首長にはタレント、作家、学者など著名人が続いて就任することになる。

 (4)かっての大学教授出身の美濃部亮吉都知事は公営ギャンブル廃止の革新的政策を打ち出して推進して、それまでの健全財政の都財政収支を大きく圧迫して批判も受けた。
 バラエティ脚本家の青島幸男都知事はその後の著名人タレント、作家の首長への流れ(trend)をつくった知事で、高い知名度を背景に都知事選ではまったく選挙運動をせずに人気とそのこれまでの常識をくつがえす選挙運動方針(TV施政方針演説のみ)で任期制限満了まで東京都知事を務めた。

 (5)選挙というのは首長候補の理念、政策、方針を選挙人が街頭などで直に聞くことで資質、人柄、人格など政権を託す判断をする重要な場であるはずが、人気、知名度だけでこれを排除した首長(都知事)をただ住民が支持したのも不自然であり、その後の都政の悪い流れ(unbecoming trend of the metropolitan governor)を形づくったのではないのか。

 (6)その流れを受けた石原慎太郎都知事も高い知名度、人気はもちろんのこと、性格を活かして国と対等に渡り合う都知事として話題も多かった。報道によると都庁に出勤するのは週3日で実務のほとんどを副知事にまかせての奔放な都政運営でも、なにしろインドネシアの国家予算(約13兆円)に匹敵(報道)する豊富な東京都予算規模を背景に政治が動くことで、都知事の資質、行政能力は選挙では都民から厳しく問われることがなかった。

 (7)石原都政で実務を取り仕切ったこれも作家出身の当時の猪瀬直樹副知事が辞任した石原知事の後を引き継ぎ都知事となり、これが政治資金管理不正問題で辞任に追い込まれ、今度はその後の東大教員出身の舛添要一都知事は政治資金、都政の公私混同問題で現在厳しく追及されている。

 本人は給与を全額受け取らないと表明しているが、これは辞職したと同じことだ。本人は意思をはっきりさせなければならない。

 (8)この都知事の歴史、流れを見ると都民の選択責任もある。

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