いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

第三者にこだわったレトリック。 particular rhetoric for the third person

2016-06-07 19:48:31 | 日記
 (1)舛添東京都知事の政治資金支出、行動に関する「第三者」弁護士による調査は「違法性はないが不適切」というものだった。舛添さんから調査を依頼された弁護士としては型通りの基準に従った範囲内での調査で、それ以外の何物でもない委託業務をこなしただけのことだが、玉虫色の調査結果を聞いたものとしては「で、それがどうしたんですか」とその「先」を聞いてみたくなる調査評価だった。

 そもそも、この程度の第三者弁護士のステレオタイプの調査報告なら必要だったのか、第三者にこだわったレトリック(particular rhetoric for the third person)で舛添さん自身で説明できた内容だ。

 (2)事務所費から宿泊費、飲食費、書籍、美術品、公用車使用と次から次と公私混同の「無節操」な金銭使用、感覚、行動への批判がくり返されて、問題は都民、国民から預かった投資(税負担)を節操もなく私的に濫用し、無分別に「湯水のごとく」使った責任について厳しく資質が問われることだったのだ。

 第三者の調査委託された弁護士としては、それらが「違法性はないが不適切」までの評価仕事のことで、都民、国民としてはそれじゃそれがどういうことで、どうなったらいいのか、舛添さんが説明すべきことであった。

 (3)政治資金支出、行動で責任、進退を問われた舛添さんは「イエスかノーで答える類いの質問ではない」(会見報道)と質問の趣旨まで否定してみせて、結局は核心問題には答えずに「厳しい批判を受けていることを踏まえて真摯に反省し、都政のために働く」(同)というばかりだ。

 保護者(弁護士)に付き添われたかのように会見場にあらわれて、舛添さんはひたすら聞き役で「違法性はないが不適切」の調査結果に頭を下げるばかりの茶番劇(parody)を見せられた。
 せめて第三者弁護士の調査結果報告を受けてから、別途舛添知事の記者会見を行うべきだろう。それが責任主体性というものだろう。

 (4)1回数千万円の海外出張費に会議名目の家族旅行ホテル代、個人飲食代などなど公私混同、湯水のごとき都民、国民の投資(税負担)を使用しておいて、百数十万円の返還名目で相殺、ケリをつけようなどとはまさしく東京都知事として理念、倫理観、資質が問われている。

 象徴的なのが妻が代表を務める会社に自身の事務所を賃借して、事務所費を払っていたことだ。賃借料は相場に合ったものだったとの調査評価であったが、これでは利益の同族たらい回しで暴利独占の実態だ。

 (5)法的手続きに問題はないからといって、公的資金を策して身内に還元する金銭感覚など政治家、知事にあるまじき行為だ。都議会では今日から代表質問での責任追及が始まるが、都民の投資(税負担)を公私混同、湯水のごとき使っておいて都民のために都政のために働くでは、説明がつかない。
 ここでも今日的政治課題の選択都民と行政最高責任者(都知事)のかい離が見られた。

 信頼を裏切られた都民としても百数十万円の返還ごときで、舛添さんにナメられてばかりでは情けないだろう。国民としても2020年東京五輪を抱えて、首都東京の知事がこれではもたない。

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