(1)格納容器に収まっている核燃料なら構造学的にも外部空間への影響安全性も比較高いと認識されるが、「空だき」状態で冷却装置が働かずに高温の核燃料が格納容器を溶かして外部に溶け出すとなると、事態は原発施設の危機的状況を迎えて収拾もつかなくなるのは目に見えている。
東日本大震災による福島第一原発事故発生時に、この「炉心溶融」(melt down)が起きているのではないのかの疑問は指摘されていたが、何しろ現場に近づくこともできない状況では確認しようもないというのが当時の見解であった。
(2)事故から5年が経過した今年になって、実は東電に炉心溶融判断の手引書があって、データから当時すでに炉心溶融状態であったことがわかっていたことがあきらかになった。
どうして発表されなかったのかの疑問が今度は東電が立ち上げた同原発事故の第三者検証委員会の結果報告書であきらかになった。報告書によると当時の清水社長が「炉心溶融」の言葉を使わないように社内関係者に指示していた。
(3)当時の首相官邸からの「圧力」(報道)があったことを示唆して、しかし具体的な指示者については「官邸の誰から具体的にどんな指示、要請を受けたかを解明するに至らなかった」(報告報道)と不明としている。
肝心の「炉心溶融」の判断、言葉を使わないように社内指示した背景について、第三者検証委員会が調査、解明しないのでは何のための事故検証だったのか、東電内の政府に配慮した検証の限界、作為を感じるものだ。
(4)これを受けて、早速当時の民主党政権の菅(首相)、枝野(官房長官)さんは東電に指示したことはないと反論して否定した。検証委員会が報告書で「官邸の誰から具体的にどんな指示、要請を受けたかを解明するに至らなかった」としているが、菅さんも枝野さんも事情聴取を受けたことがないと言っているので最初からそこまで質す、解明する意図などなかったということだ。
多分に東電に同原発事故当時に「炉心溶融」判断の手引書が存在していたことが同事故から5年たってあきらかになったことに対する、東電のタイムラグ対応の理由付けのために東電事情だけを公表したということだ。
(5)あとは勝手に判断してほしいでは、第三者調査の意味などなく、東電の都合主義の企業内調査結果でしかない信用性の乏しいものだ。
福島第一原発事故現場は現在も核心部分には高いレベルの放射性濃度で立ち入ることができずに事故原因の解明は進んでいない。
一般社会生活でも風呂の「空だき」でもあれば(現在は自動センサー装置が完備してまず起こり得ないが)浴槽配管口がメルトダウンして使いものにならないが、原発の炉心溶融となれば次元の違う核燃料の流出事故ということになり被災地域はパニック(panic)を経験することになる。
(6)核燃料影響被害が施設外(空間)にも及んで取り返しのつかない事態も考えられる非常事態だ。教訓は活かさなければならない。
炉心溶融が起きていることを社内手引書で判断できながら、その言葉を使わないとした背景について徹底した調査解明が必要だ。
原発再稼働を将来エネルギーのベースロード電源としている政府、政治責任でもある。福島第一原発事故は事故から5年経過しても復旧、復興もはかどらずに事故原因も究明されていない。
東日本大震災による福島第一原発事故発生時に、この「炉心溶融」(melt down)が起きているのではないのかの疑問は指摘されていたが、何しろ現場に近づくこともできない状況では確認しようもないというのが当時の見解であった。
(2)事故から5年が経過した今年になって、実は東電に炉心溶融判断の手引書があって、データから当時すでに炉心溶融状態であったことがわかっていたことがあきらかになった。
どうして発表されなかったのかの疑問が今度は東電が立ち上げた同原発事故の第三者検証委員会の結果報告書であきらかになった。報告書によると当時の清水社長が「炉心溶融」の言葉を使わないように社内関係者に指示していた。
(3)当時の首相官邸からの「圧力」(報道)があったことを示唆して、しかし具体的な指示者については「官邸の誰から具体的にどんな指示、要請を受けたかを解明するに至らなかった」(報告報道)と不明としている。
肝心の「炉心溶融」の判断、言葉を使わないように社内指示した背景について、第三者検証委員会が調査、解明しないのでは何のための事故検証だったのか、東電内の政府に配慮した検証の限界、作為を感じるものだ。
(4)これを受けて、早速当時の民主党政権の菅(首相)、枝野(官房長官)さんは東電に指示したことはないと反論して否定した。検証委員会が報告書で「官邸の誰から具体的にどんな指示、要請を受けたかを解明するに至らなかった」としているが、菅さんも枝野さんも事情聴取を受けたことがないと言っているので最初からそこまで質す、解明する意図などなかったということだ。
多分に東電に同原発事故当時に「炉心溶融」判断の手引書が存在していたことが同事故から5年たってあきらかになったことに対する、東電のタイムラグ対応の理由付けのために東電事情だけを公表したということだ。
(5)あとは勝手に判断してほしいでは、第三者調査の意味などなく、東電の都合主義の企業内調査結果でしかない信用性の乏しいものだ。
福島第一原発事故現場は現在も核心部分には高いレベルの放射性濃度で立ち入ることができずに事故原因の解明は進んでいない。
一般社会生活でも風呂の「空だき」でもあれば(現在は自動センサー装置が完備してまず起こり得ないが)浴槽配管口がメルトダウンして使いものにならないが、原発の炉心溶融となれば次元の違う核燃料の流出事故ということになり被災地域はパニック(panic)を経験することになる。
(6)核燃料影響被害が施設外(空間)にも及んで取り返しのつかない事態も考えられる非常事態だ。教訓は活かさなければならない。
炉心溶融が起きていることを社内手引書で判断できながら、その言葉を使わないとした背景について徹底した調査解明が必要だ。
原発再稼働を将来エネルギーのベースロード電源としている政府、政治責任でもある。福島第一原発事故は事故から5年経過しても復旧、復興もはかどらずに事故原因も究明されていない。