いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
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小柄なジャンパー高梨3位。 small sized jumper takanashi holds the third rank

2018-02-13 19:38:39 | 日記
 (1)スキー・ジャンプ競技は助走路滑走後ジャンプ台から高く飛び上がって距離、飛型点の総合ポイントで争うスポーツなので、重い体重の大柄の人が不利なのはわかる。
 男子ジャンパーの葛西紀明選手も相当スレンダー(slender)な体形を維持するための話を聞いたことがある。

 一方で風の浮力を受け止める十分な体形、体格も必要なので、小さければいいというものでもない。

 (2)昨日の平昌冬季五輪の女子ノーマルヒルジャンプ競技で、日本の高梨沙羅選手が2本とも103.5メートルの大ジャンプをみせて3位、銅メダルを獲得した。
 優勝したマーレン・ルンビ選手と並んだ高梨選手はルンビ選手の肩にも届かない小柄だった。

 ジャンプ競技は風に影響されるスポーツで、出来るだけ公平な競技条件のために飛ぶスタートを遅らせたり、滑走スタート位置を上下に移動したりして調整しながら、有利な向かい風には減点して不利な追い風には加点するなどしながら競技が進められる。

 (3)体重やスキーの長さにも身長に合わせて制限がある。日本は72年札幌冬季五輪で男子ノーマルヒル(当時は70メートル級)で笠谷幸生選手の金メダルをはじめ金銀銅すべてを独占して圧倒的な力を示し、国際スキー連盟が比較小柄な日本人選手に不利なスキー板の長さを短くする規格変更をしてスキージャンプ本場北欧勢に有利な条件で対抗したともいわれている。

 これでジャンプ個人戦ではかってのような日本人ジャンパーの圧倒的な強さは影を潜めている。競技会では公平なジャンプ条件を整備、維持する運営姿勢をみせながら、その基本となるスキー板の規格では比較小柄な日本選手に不利な変更をしたといわれる二律背反性だ。

 (4)昨日の平昌五輪での小柄な高梨選手の2本とも103.5メートルの大ジャンプは見事な技術力が結集したものですばらしいが、いくつもの条件調整、加点、減点をしてのポイント争いとなればスキー板の長さ調整のような身長の大小による加点、減点があってもおかしくないだろう。

 やはり風の浮力を効果的に受けるにはスキー板の長さ、身長の高い方が有利だとシロウト目にも感じる。そのための当時全盛を極めた日本人ジャンパーに不利なスキー板の身長に合わせた短縮制限であったのだし、逆に比較小柄な日本人選手には比較大柄な本場北欧勢に対抗できる身長加点がほしいところだ。

 (5)そこまでやればスポーツ本来の醍醐味、小よく大を制す自然力によるスポーツ対決の興味、関心を失うことにもなるので、あまり公平に起点を移して同一条件にこだわるのもスポーツの楽しみ、スリルを見失うことにもなる。

 屋外スポーツは自然の環境、影響、変化を受けるのは前提条件であり、それを個人能力、トレーニングなどで克服する姿勢も人間の進歩、革新力をもたらして感動を呼ぶものでもあり、逆にスキージャンプ競技での同一条件調整、整備のためにアレコレ手を加え過ぎていきつくところ残った不利な条件が目立って理不尽さ(unreasonableness)が見られるジャンプ競技だ。

 (6)なにはともあれ、その中での高梨沙羅選手の銅メダル獲得は見事というほかない。

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