(1)2013年に北朝鮮と国交関係にあるモンゴルの当時大統領が北朝鮮の招きで訪朝して金日成総合大学で講演をして、「国を動かすことは、必ずしも政治指導者だけがやることではない。市民が参加し動かすことができる」、「いかなる暴政も永遠には続かない」(報道)と述べたといわれる。
朝鮮労働党、金第一書記による絶対独裁国家、恐怖政治の北朝鮮で一般向けとはもちろんいかないが、限られた金日成総合大学でこのような権力者の独裁政治に警鐘を鳴らす外国大統領の講演が行われたとは驚きだ。
(2)韓国の平昌冬季五輪開催に合わせて南北合同チームでの参加、南北会談の再開で融和ムード演出の中で、北朝鮮も日米韓威かく、挑発一辺倒でもないところを強調してみせたというところだ。
報道によると金日成総合大学での同講演の聴衆は200人程度で、学生、研究者以外に半数は「特別な立場の人たち」に見えたと書いている。
極めて密室の中で限られた人たちに対しての当時モンゴル大統領による「国家開放」主義(national openism)の必要性を説いた20分程度の短いしかし「刺激的な講演」だったようだ。
(3)これも報道によると同講演が行われた5年前の北朝鮮は金第一書記体制で国内経済を立て直す試行錯誤の時だったといわれる。「経済改革によって国を近代化する」(報道)という金第一書記の方針は、しかしその後権力闘争で血縁者の粛清処刑して金第一書記絶対独裁政治体制の確立を進め、核開発、ミサイル発射実験で日米韓同盟への威かく、挑発をくり返して、米国、日本など主導の国連経済制裁強化を受けて孤立化を深めている。
(4)北朝鮮の父指名後継政治の若い独裁者としては、海外留学の経験もあり近代化国家の姿を追い求める理想像が当時の世界政治からも淡い期待はあったが、政治力、経験力未熟の独裁者としての地位、権力独占、安定確保のなりふり構わぬ必要性の前では挫折したと読める変化だ。
二代続けての金親子絶対独裁国家体制の中で、若い三代目が独裁体制を指名受け継いであたらしい国家理想体制、とりわけ経済立て直しに自らの存在活路を見出そうとしたとも考えられる。
(5)政治経験もない若い金第一書記自らの発言、行動ではこれまでの独裁国家体制を押さえられないとみて、国交関係にある当時モンゴル大統領に上述のような趣旨の国家開放路線の講演を認めてあたらしい方針、国家像を掌握しようとしたともいえる。
現在の北朝鮮金第一書記絶対独裁国家体制は、自らの地位、権力確立の権力闘争による恐怖政治の中で当時モンゴル大統領の講演発言とは相容れない日米韓威かく、挑発に目を向けさせる孤立化にある。
(6)平昌五輪開催中にあえて5年前の金日成総合大学での国家開放講演が報道されたことは、南北会談による融和路線をさらに演出する北朝鮮の政治的意図があることは間違いないが、現在の北朝鮮には考えられない理想像であり、人民生活無視の核開発、ミサイル発射実験による孤立化を深めるばかりで、パラドックス(paradox)として北朝鮮金第一書記絶対独裁国家体制が崩壊しない限りは自らの理想像であるとしても実現しない、考えられないことだ。
朝鮮労働党、金第一書記による絶対独裁国家、恐怖政治の北朝鮮で一般向けとはもちろんいかないが、限られた金日成総合大学でこのような権力者の独裁政治に警鐘を鳴らす外国大統領の講演が行われたとは驚きだ。
(2)韓国の平昌冬季五輪開催に合わせて南北合同チームでの参加、南北会談の再開で融和ムード演出の中で、北朝鮮も日米韓威かく、挑発一辺倒でもないところを強調してみせたというところだ。
報道によると金日成総合大学での同講演の聴衆は200人程度で、学生、研究者以外に半数は「特別な立場の人たち」に見えたと書いている。
極めて密室の中で限られた人たちに対しての当時モンゴル大統領による「国家開放」主義(national openism)の必要性を説いた20分程度の短いしかし「刺激的な講演」だったようだ。
(3)これも報道によると同講演が行われた5年前の北朝鮮は金第一書記体制で国内経済を立て直す試行錯誤の時だったといわれる。「経済改革によって国を近代化する」(報道)という金第一書記の方針は、しかしその後権力闘争で血縁者の粛清処刑して金第一書記絶対独裁政治体制の確立を進め、核開発、ミサイル発射実験で日米韓同盟への威かく、挑発をくり返して、米国、日本など主導の国連経済制裁強化を受けて孤立化を深めている。
(4)北朝鮮の父指名後継政治の若い独裁者としては、海外留学の経験もあり近代化国家の姿を追い求める理想像が当時の世界政治からも淡い期待はあったが、政治力、経験力未熟の独裁者としての地位、権力独占、安定確保のなりふり構わぬ必要性の前では挫折したと読める変化だ。
二代続けての金親子絶対独裁国家体制の中で、若い三代目が独裁体制を指名受け継いであたらしい国家理想体制、とりわけ経済立て直しに自らの存在活路を見出そうとしたとも考えられる。
(5)政治経験もない若い金第一書記自らの発言、行動ではこれまでの独裁国家体制を押さえられないとみて、国交関係にある当時モンゴル大統領に上述のような趣旨の国家開放路線の講演を認めてあたらしい方針、国家像を掌握しようとしたともいえる。
現在の北朝鮮金第一書記絶対独裁国家体制は、自らの地位、権力確立の権力闘争による恐怖政治の中で当時モンゴル大統領の講演発言とは相容れない日米韓威かく、挑発に目を向けさせる孤立化にある。
(6)平昌五輪開催中にあえて5年前の金日成総合大学での国家開放講演が報道されたことは、南北会談による融和路線をさらに演出する北朝鮮の政治的意図があることは間違いないが、現在の北朝鮮には考えられない理想像であり、人民生活無視の核開発、ミサイル発射実験による孤立化を深めるばかりで、パラドックス(paradox)として北朝鮮金第一書記絶対独裁国家体制が崩壊しない限りは自らの理想像であるとしても実現しない、考えられないことだ。