「死ぬ前に言っとこ」

2014-03-06 00:23:32 | 
淡路恵子さんの誰も知らない自分史。

バラエティー番組では一切語られなかった本当の自分というべきか、本音というべきか、この本の中には、女優・淡路恵子ではなく、本当の私・井田綾子さんを垣間見ることができました。

この本で語られている言葉は、私には、80歳のおばあちゃんの言葉ではなく、20代30代、時には10代の瑞々しくて活発で威勢のよい女性の言葉に感じました。

バラエティー番組に出ていた淡路恵子さんは、実は素の淡路さんではなく、女優の淡路さんだということが窺える言葉たちでした。

バラエティー番組の淡路さんは、私にはカッコつけな雰囲気があってあまりいいイメージではなかったのですが、この本の淡路さんは本当にめちゃくちゃお茶目で気さくで、過去に悪口を書いたことを反省してます。でも、あれはあれで私の本心なので訂正しません。

淡路さんのまさかの訃報を知った時に、いつかは淡路さんのこと書かなきゃと思っていたんですが、この本のお蔭で私も素直になれました。

昨日宝塚に行って、たまたま本屋に寄ったら、この本が置いてました。まるで私に、読みなさいよ!と言わんばかりに何故か映画・音楽雑誌のところに陳列されていて、表紙の淡路さんが私に語りかけているようでした。立ち読みしたら、なんか買わないといけないような選択に迫られてついつい買ってしまいました。

私が知っている淡路さんは、バラエティー番組で歯に衣着せない親分肌な発言やオーラを醸し出している姿、そして漠然と波瀾万丈な人生を生きていた女性の印象しかなかったんですが、本当この本の淡路さんはお茶目。バラエティー番組ではほんと女優の仮面を被っていたのが分かります。

ぶっちゃけ書くと、めちゃくちゃ淡路さんに親近感が湧きました。淡路さんも宝塚ファンで驚きました。もし、関西に淡路さんの親戚がいらしたら、ひょっとしたらタカラジェンヌになっていたかもしれないくらい宝塚が好きで、レビューが好きで、芸名もお姉ちゃまと慕っている淡島千景さんから一字もらっていて、女優になるべくしてなったというより、宝塚に憧れた少女が、宝塚と同じレビュー中心のSKDに入団したらあれよあれよと周りの導きで女優になっちゃった!といった運命の持ち主でしたね。

決して愛に飢えた方でもなく、逆に愛情に溢れた方。ただ周りが見えなくなるくらい真っ直ぐすぎて、それが偏り過ぎたんだろね。逆に仇になって思わぬ方向へ波瀾万丈な人生を歩むことになったんだと想像しました。

私が本当に知りたかったことは書かれてませんでしたが、最初のご主人のこと、錦之介さんのこと、そして錦之介さんの血を引く二人の亡くなられた息子さんのことも後悔なく語られてました。

女性としては本当に素晴らしい方だと思う。ただ母親としては…と思うとこはあったけど、この本を読む限りでは、次生まれ変わったらあのイタリア人女性のように、ただただご主人とお子さんに愛情をたっぷり注げられる環境に生まれて欲しいと心から願いました。

淡路さんも美輪さんみたいに幾多もの試練を乗り越えて、自殺することなく人生を全うされたことは本当に尊敬に値します。

私は、淡路さんの錦之介さんが抱えた多額の借金を返済するために覚悟を決めた内容に胸を打たれました。まるでピアフのテオみたいだから。ピアフが亡くなった後、頑張って借金返済をした無償の愛の象徴のテオ。あの時の淡路さんは間違いなく無償の愛の塊の女性だったと断言できる。でも、皮肉というべきか、残念というべきか、当たり前だけど錦之介さんはピアフではなかった。錦之介さんは奇跡的に難病から回復して淡路さんからそして家族から離れていってしまった…。過程はどうあれ、淡路さんが背負った十字架の重さ、居たたまれないものがあります。で、その“過程”において、子育てに関して以前私は悪口を書いてしまったわけなんですが…。

こんなこと書いた不謹慎ですが…、

淡路さんの訃報を知ったとき、死ぬには早すぎる!まだ可愛いおばあちゃん役演じてないやん!?と思った。でも、この本を読んだら、神様からもうこっちに来ていいよと許可が出たんだと思いました。正直書くと、私もこの本を読んでたくさん救われました。出版社さん、長男さん、緊急出版して頂き感謝してます。

淡路さん、やっと愛する皆のとこに行けて良かったね。たくさんたくさん抱きしめてあげて、そして抱きしめて貰って下さいね。

やっと私も書けます。

淡路さんのご冥福心からお祈り申し上げます。


いつもながら私のことで申し訳ないですが、私の母は、淡路さんと違って夫より子供に愛情を注ぐ人でした。逆に言うなれば、私が自殺せずに今も生きているのは間違いなくオカンのお蔭です。ここではあえてオカンと書きます。

親父と争う(?喧嘩ではない)度に、私は自殺しようと、半ば本気ではなかったんですが自傷行為のふりをしました。オカンは本気で私を止めてくれました。親父は一切止めなかった。もし、そばにオカンがいなかったら映画「一命」の瑛太氏の役のように自殺をせざるを得なかったかもしれません。

親父は親父で問題だらけでしたが、だからといってオカンも完璧な母親ではありませんでした。問題もありました。でも、オカンからはたくさんの愛情を貰いました。

今だから書きますが、オカンが亡くなった時は、「風共」の第一部ラストのスカーレット並みに、またドラマ版「東京タワー」の大泉洋さん演じる主人公以上に泣きました。感動の涙はしょっちゅうですが、人生であんなにも何時間も泣いたこと今も昔もあの日一度きりです。

このBlogを読まれている皆さんへ、今の私に言えることは、

親孝行が出来るときはたくさんしてあげて下さいね。そして、お子さんにはたくさんの愛情を注いで下さいね。

罰が当たるとは言いません。でも、ひょっとしたら私みたいに何もしないでいると、それなりにツケが回ってくれかもしれませんよ。ご注意下さいね。


花組 二回目

2014-03-04 22:34:17 | TAKARAZUKA
あ~、ブルース、オスカーGetならず…(涙)結局、「ネブラスカ」無冠に終わった…。一つはオスカー獲れると思ったのにな…。ま、カンヌでブルースが男優賞獲ったからせめてもの救いとしよう…。やっぱカンヌは目がいい!

ということで、1ヶ月ぶりに観てきました。

う~ん、たいてい新公が終わると、不自然なくらい本公演がエネルギッシュになってるはずなんだけど、今日は二回公演だったからか、とても間の抜けた印象だった。特にコーラスに張りがない。

なんか、ダイモンだけがちゃんと自分の仕事をしてたように思えた。他はお疲れだったのか?ほんと間が悪かった。

この作品、マユさん次第で大化けすると前回書きましたが、ぶっちゃけ書いて申し訳ないですが、マユさんに限らず全体的にパワーとテンポが欲しい。マユさんファンには申し訳ないけど、あのタイクーン役はキリヤンならもっとリアルに演じてたと思うよ。キリヤンなら「エドワード8世」の時のように毎回リアルな感情で歌ってくれてたと思う。比較して申し訳ないですが…。

マユさんに限らず全体的に歌も間も悪いなんて、君たち本気でマユさんを送り出す気あるの!?と言いたくなった。

ショーも、なんか間が抜けた感じ。部分的には迫力があったりするけど、次に続かないんよね…。ぶっちゃけ書くと、ショーはずっと光る娘役を探してました。華雅りりかさんが抜きん出てる印象。あと、主題歌いいやん!と思いながら聞いてました。

今日は、お芝居もショーもマユさんのサヨナラ公演だとは思えない出来だったので、まだまだ“マユさんへ”を書ける心境じゃないです。あと1回は観る予定なのでその時書きます。


今日のまとめ:どうした花組!?疲れただけなのか?明日は休演日なのでゆっくり休んで身体を労って下さい。そして、木曜日からまた頑張って下さい。次回こそ期待してます!

今日は、劇団内で色々発表がありましたね。色々深読みしてしまった…。

チギ君、トップおめでとう!

個人的にはバウの「パルムの僧院」が観たい!


「ネブラスカ」

2014-03-02 18:26:30 | 映画
私ならブルース・ダーンに主演男優賞に一票やな。っていうか獲って欲しい!

ストーリー的には、「ストレイト・ストーリー」のようなロードムービーで、お爺ちゃん(一応パパ)が主人公で、目的地までが長い道のりで、登場人物がいい人ばかり(小憎たらしい人物はいるけどそれは愛嬌ということで…)、まさに「ストレイト~」と被りまくりなんですが、空気感はアキ・カウリスマキ的なゆるさとユーモアさもあって、全く退屈することなく最後まで楽しめました。

ハズレだと分かっているはずなのに、懸賞金を貰いに数千キロも離れたリンカーンに、まるで認知症になったかのように何度も放浪?徘徊?し、見るに見兼ねて息子が車で連れていく…という話なんですが、何故そこまで懸賞金にこだわるのかが味噌になるんですが、ハートウォームフルな仕上がりでとても良かったです。

息子達以外の登場人物のほとんどお爺ちゃんとお婆ちゃんなんですが、これがまたキュートでめちゃいい味出してるんですよ!めちゃほのぼのしていて癒されまくりでした(笑)

あ、助演女優賞も獲って欲しいくらいお婆ちゃん(ママ)もキュート。


父親と息子がリンカーンに向かうロードムービーでありながらも、その道中で息子が父親の過去のエピソードを知るという筋になっているんですが、個人的にはタイムリーな内容というか、私自身、親父のルーツを知りたいと思っていただけに、たまたまだけど、すごく導かれた感があります。

息子と私が非常にオーバーラップする部分が多くて、私の場合、車で親父を病院まで送迎したり(基本親父は入院療養。特別検査で別の病院に定期的に行かないといけないため)、車の中でオムツ替えたり、甘い物が大好きだから看護師さんには内緒で車の中で食べさせたりと、唯一二人きりになるのが車の中だったので、その時はもう親父は認知症と失語症でまともな会話が出来ませんでしたがこの映画を観ながら色々当時のことを思い出されました。

というのもあって、個人的にもブルースに主演男優賞を獲って欲しいです。


息子が父親のルーツを知ることで、父親を一人の人間として客観的に見れるようになる。酒飲みでダメな部分もあるけど、主人公の子供達への愛を知った息子の心境の変化や父親との距離がじわじわ近づいていく過程が絶妙な描写でした。わざわざ仕事を休んだだけあった貴重な時間だったと思う。

結構毒舌な奥さん。どう見ても奥さんより優れた人間性の持ち主の元カノの存在。何故主人公はその彼女でなく、今の奥さんと結婚することになったのかも想像出来る描写になっていて、最初から最後まで本当にハートウォームフルな内容でした。

忙しい忙しいと言っている間に、歳を取るにつれ親子の距離はどんどん広がるばかりやもんな。何かきっかけがないと父親と一緒にいたり会話する機会ってなかったりしますもんね。

私自身がそうだったんですが、母親の突然死でそれまでほとんど関わりがなかった父親と無条件で接する時間が多くなったんですよ。まさか母親が先に亡くなるなんて想像もしてなかったし、兄貴は愛知県にいたから必然的に私が父親の世話をしなくてはならない状況になったわけです。それまでずっと母親任せだったから、まさか私が父親の面倒を見るなんて思いもよらなかった。

神様がくれた時間というべきか、母親が亡くなったことで父親と関わる時間が増えて、それまでずっと許せなかった存在だったのに、親子の立場が逆転して父親なのに自分の子供を世話しているような感覚になって、いつの間にか恨み事なんか忘れてました。

急変して意識不明になり、管だらけになっても生き続けたの最期一年は、本人は相当苦しかったと思う。そんな姿を見ると過去の恨みなんて本当どうでもよくなった。本当の苦しみは自殺も出来ないくらい身動きも出来ず痛みに耐えることだと教えられました。私の苦しみなんて所詮誰かのせいにすれば解決する程度なもんなんですよ。

恨むことばかりで、父親の立場で考えることをして来なかった。一人の人間として客観的に見たら本当感謝の言葉しかない。こんな息子を育てるの本当に大変だったと思うよ。

本題からかなりかけ離れてしまいましたが、アキ・カウリスマキが好きな方なら、この作品も好きだと思う。本当にロバート・ダーンがいい味出してるんですよ!落ち込んだ時の表情とその後が最高でした。ホンマ、主演男優賞を獲って欲しい!

ちなみに白黒作品です。最初、モノクロにする必要性があったのか疑問だらけで、縫合シーンだけモノクロである必然性を感じました。でもラストに向かうに連れてモノクロで正解だと思った。殺伐とした景色や登場人物がめちゃ際立つ効果がありました。興味を持たれたら是非ともご確認を!

今日のまとめ:お爺ちゃんお爺ちゃん好きな方にもオススメしたい(笑)

可能なら作品賞も獲って欲しいな~。きっと「それでも夜は明ける」が有力やけど…。監督賞は、絶対アルフォンソ・キュアロンで間違いないと思う。違ったらめちゃ悲しい…。

「ダラス・バイヤーズクラブ」

2014-03-01 01:11:39 | 映画
なんか男版「エリン・ブロコヴィッチ」を観てる感覚だった。いろんな映画で実話を元にした作品があるけど、つくづくアメリカ人の使命感に驚く。一般市民の底力がひしひしと伝わってきます。

この作品だと、自分一人だけだったらメキシコで一人療養しておけばよかったのに、主人公のロン・ウッドルーフは、自分と同じように死を目の前にした沢山のHIV感染者に少しでも長く生きて貰おうと奮闘します。で、そのやり方が日本では考えられないくらい突拍子で国や法律を敵にしたやり方なので、その勇気にアメリカ人って凄い!と思った。

今だから映画化できた部分もあると思うけど、やってることはめちゃ際どい。タダでなくても主人公はヤバイ系の人物なのに、国内では認定されてない薬を持ち込み売買(?)する様は、これが実話であることに逆に驚く。

でも、言ってることは間違ってないんよね。なぜなら、認可されてないというだけで悪性でない長く生きられる薬が実際に存在するからね。日本でも、例えばこの国では許されてなくても海外ならオッケーな手術もありますもんね。そういう意味では、この国ではダメで、他国ではオッケーといった理不尽さも問題提起としてリアルに描写されてました。「エリン・ブロコヴィッチ」みたいに、敵に回す相手(組織?)が大き過ぎたけど、よくやったゾッ!って言いたくなった。

パンフを読む限りだと、フィクションの部分も多いようなので、どこまでが事実なのか分かりませんが、余命30日と宣告された主人公がなんと○年も生きた!ということは事実なので、それだけでも彼が生かされた年数には大いなる価値と意味があったと思います。

この作品、主演か助演でオスカー獲れるかも…!?と予想。っていうか、元々オスカーを予想しての鑑賞なんですけどね…。アカデミー賞発表前に観ておきたかっただけ(笑)実際は、予想通り、熱演というより役作りの徹底ぶりに感心しました。

主演のマシュー・マコノヒーの激ヤセして挑んだ役作りは、同じように激ヤセしてオスカーを獲ったクリスチャン・ベイルの役より見応えありました。マシューの場合は、激ヤセ云々よりも演じ見せ方がオスカーノミネート納得もんでした。

助演男優賞でノミネートされたジャレッド・レトも役作りも良かったです。女装が綺麗な時とそうでない時があってそこのギャップがイイ!お父さんに会うシーンがグっときました。ニューハーフではないんだけど女性的な部分を繊細に演じていて、ぶっちゃけ、ジャレッドの方がオスカーに近いと思った。心と身体がアンバランスな上にヤク中で切ない役柄でしたが見事でした!

どうでもいいことですが、ジャレッドの女装を見て、「処刑人」のウィレム・デフォーの女装シーンを思い出した。ジャレッドは綺麗系でしたが、ウィレムは怪獣系でめちゃインパクト大でした(笑)あのウィレムを越える女装を未だ見たことがない!←ホンマどうでもいいことでしたm(__)m

最近は、とんとAIDSの話題を聞かなくなりましたが、まだまだ完治されない病気なので、セイフティ・セックスを心掛けて下さいね!コンドーム付ければいいじゃん!っていうノリじゃなく、相手を想う気持ちを大事にして頂きたいです。

あと、ロンがジャレッド演じるレイヨンに“身体を大事にしろ!”と言う台詞があるんですが、本当にその通りです。どう生きるかは、もちろん自分次第だけど、AIDSになるならない関係なく、いつだって自分の身体が大事で、自分を労れない人間に他人を労れる訳がない!と断言できるので、特に自分の安売りだけはして欲しくない。簡単に身体を許しちゃダメだよ!特に、心が病んでる時弱っている時が一番無防備で揺れやすい時やから要注意やで!最近は女の子だけでなく男の子も弱ってきてるからホンマに要注意!

映画の内容とかけ離れましたが、「エリン・ブロコヴィッチ」並みに単調な流れになってますが、私は退屈しませんでした。隣に座ってた方はつまらなそうにしてましたが…。もし、何某の部門でオスカーGetしたら観る価値は上がると思います。まさかの日本も関わってます。

今日のまとめ:ぶっちゃけ、内容的には、法律や専門用語を分かってないので、筋をちゃんと理解してません。普通に考えたら刑務所行きやと思うことでも、そうでなかったりするので、ちんぷんかんぷんなシーンが多かったです…(汗)なので、自分がよく理解出来てないのでオススメできませんm(__)m

追記(下品トーク):薬の持ち込みで思い出したことがあって、昔ドイツに行った時に、ひどい便秘だったので、薬局で下剤を買ったんですよ。日本なら小さな錠剤ですが、向こうで貰ったのは一回分がめちゃ量の多い粉薬でした。こんなこと書いたら日本の製薬会社さんに申し訳ないですが、私が当時使っていた日本の錠剤は時に下痢になって後々大変なことになるので、もうその薬は使わないようにしてるんですが、さすが薬剤大国ドイツ、その下剤は完璧だった。柔らかくする薬だったのですが、本当に柔らかくしてくれて後々の惨事もなかったです。帰国してからも欲しくて堪らなかったよ。を思い出しました(笑)日本とドイツの違いをまざまざと感じたね。なんか女子トークみたいでごめんなさい(笑)あ、ちなみにあくまでも記憶を辿って書いただけなので、参考にしてくれぐれも多量持ち込みはダメですからね!しかも粉薬だから誤解されるかもしれませんよ!一応注意書しておきます。あと、使用する時は自己責任ですので…。