雪組全ツ「仮面のロマネスク」「Gato Bonito!!」

2024-04-12 23:00:57 | TAKARAZUKA
さすが、女優夢白あや!

完璧なメルトゥイユ夫人だった!

アーサのヴァルモンも、女たらし感が滲み出ていてマジ嫌な男だった。それがマジ最高!

やっぱり、かめロマは、ヴァルモンもメルトゥイユ夫人も゙そこそこ悪人でないとね。

ということで全ツ初日、ゆひすみコンビの宙組公演以来のかめロマを観てきました。

いや〜、まさか、アーサとあやちゃんで文句なしのかめロマが観れるなんて思ってなかったよ!

2人ともまだまだ若いのに、マジで素晴らしかった!しかも2人とも最強ヴィジュアル!

宙組は宙組で新しいヴァルモン像のかめロマで素晴らしかったけど、この雪組全ツ版は、初演のユキはなコンビの雪組を踏襲してる感はあったけど、トータルでは初演より良かった。

初演は、なんだかんだいっても、トゥールベル夫人の星奈優里ちゃんの功績が大きかったと思うからね。あの貞淑な妻の色気に勝てる娘役はまだ見たことない。

は、いいとして、

ヴァルモンのアーサは、初演のユキちゃんを踏襲している感が強かった。めちゃくちゃ女たらし!それがイイ!!藁

やっぱヴァルモンは、男のフェロモンを撒き散らしてナンボやからね!

あとさ、

♪あなたがいたから 生きて こら〜アーれ〜た〜♪

の “アー” が強調されてこその主題歌だもんね。

アーサも、ユキちゃん並に歌い上げてくれてマジ感動!

ゆうひさんのヴァルモンは、自分の本心がわかっていて、精神的に大人だからメルトゥイユの駆け引きに乗っかってやってる感が強く、人物像としては決して悪人の印象はなかったけど、

アーサもユキちゃんも女たらしの悪人だったもんね。

2人とも自分の本心には気付いてはいるけど、性欲や支配欲といった雄の本能の仮面を捨てられずにいる。だが、トゥールベル夫人とセシルとの恋の駆け引きをしているうちに自分がメルトゥイユ夫人だけを愛していることに気付く。

この根っからの女たらしが真実の愛に目覚める。

雄の仮面を外そうとした時に、ダンスニーに決闘を申し込まれ覚悟を決める…。

あやちゃんのメルトゥイユ夫人は、幾重にも重ねられた厚い厚いプライド仮面を外すことが出来ない女性。愛する男に裏切られまくっているから余計、本心を仮面で隠すことでしか自我を保つことができない、素直になれない。

そんなメルトゥイユもまた、本心ではヴァルモンを愛しているのに素直になれない。偽りの恋を繰り返す。そして、まさか自分の一言でヴァルモンとダンスニーの決闘するとは思っていなかったが、もう止めることが出来ない。厚い仮面のせいで制止することもできない。

決闘の結果、ヴァルモンが生きていることが分かり、とうとう厚い仮面が外れる。

これぞまさに仮面のロマネスク!

革命?前夜、束の間ではあるが、真実の愛に気付いた2人は愛を確かめあって幕。

いやー、さすが柴田先生!めちゃくちゃよく出来た作品!

ちゃんと学びと気付きがある!本来、柴田先生が描きたかったのはこれだと思うんよね。

アーサもあやちゃんもまだまだ若いのに、完璧な役作り!

メルトゥイユ夫人なんて、ぶっちゃけ、宝塚のトップ娘役が演じる役でも、天才少女の北島マヤですら演じられるような役でもないのに、

あやちゃんは完璧なアプローチ!

ラスト10分はマジ素晴らしかった!まさかメルトゥイユ夫人でウルッとくるとは思わなかった。それくらいリアルにメルトゥイユ像を創り上げていた。

「心中恋の大和路」の梅川もしかり、「ボニー&クライド」のボニーもしかり、歴代演じられてきた先輩とは違うあやちゃん独自のアプローチの仕方がめちゃくちゃ良い。役の掘り下げ方が上手い、かつ説得力がある!

ヴァルモンが生きていて良かった!という気持ち、プライドという仮面が外れる瞬間の演技がマジ秀逸!役に入り込んでか、感情の揺らぎが3階席まで伝わってきた。まじウルッときた。

本当に素晴らしいメルトゥイユ夫人でした。

こんなの見せられたら、カペー未亡人の牢獄シーン、どうなることやら!?

今回の雪組全ツ組は、配役がハマり過ぎ!初演よりピカ一!初演はなんだかんだ言っても、良し悪しがある。

だけど、全ツ組は、文句なく完成度が高い!

ダンスニーの縣千君の若々しさがめちゃくちゃピッタリ!純粋さはあるけど、本能に勝てないというか、メルトゥイユ夫人の色香に騙されやすい愚かなダンスニー像を創り上げてた。

ダンスニーもまた真実の愛に気付くんよね。そして、恋人のセシルもまた。

トゥールベル夫人の希良々うみちゃんも良かった!

もちろん、星奈優里ちゃんみたいな究極の大人の色香はなかったけども、そんな色香なんて必要ないくらい貞淑な妻のイメージがピッタリだった。貞淑な妻が完全にヴァルモンに支配されてしまった感を上手く表現されていて、やらしさがないのが逆にリアルだった。ゆりちゃんはある意味やり過ぎだったかもね。

トゥールベル夫人に関しては、特に星奈優里ちゃんの場合は禁慾精神がヴァルモンによって開放、全開にされてしまった感、自我崩壊へと導かれた感が強かったけれども、うみちゃんのトゥールベル夫人は、自我を抑えきれなくなるギリギリラインを行き来している感が逆にリアルな女性像だった。

うみちゃんは、仙名彩世さんや紫ともちゃんに似ていて大人ぽい要素がめちゃくちゃトゥールベル夫人のイメージにピッタリだった。化粧も貞淑感を出すために薄くしてたよね?多分ね。アプローチも完璧だった。

この雪組全ツメンバー、めちゃくちゃ若手が脇で頑張っていて、全然知らない生徒さんばかりだけども、役が役だけにその若さや初々しさも作品作りに大きく貢献していたと思う。

この作品って、ただの大人の恋の駆け引きがテーマのラブロマンスだけやないやん。

フランス革命を経て間もないパリを舞台に、何度何度も市民革命が起こっては政権が交代しまくっている不安定な時代。まだまだ貴族社会が根強い時代。

片や飢えで苦しんでいる市民がいるというのに、片や貴族の屋敷では、取るに足りない恋愛沙汰で1日が過ぎるような日常が繰り広げられている。

この貴族社会が没落する前夜?明日どうなるか、命があるか分からない前夜までを描きつつ、不安定な時代であっても、栄耀栄華を極めた貴族にも真実の愛を求める人間らしさ、気付きと学びを描いた作品だと思うんよね。

貴族であろうと市民であろうと、同じ人間。真実の愛には身分の差はない。真実の愛を知らずに生きて死ぬのと、知って生きて死ぬとでは人生の価値観が大きく異なる。

今日も客席で、「こんな作品しなくてもいいのに…」と言うおばさま方の声が聞こえてきましたが、私に言わせれば、あなた方にはそうでしょうね!宝塚の18禁作品ですもんね!と言い返したくなる。

私に言わせれば、18禁というのが仮面なんですよ。裏に隠れた真実が見えないなんて…。

ほんま、柴田先生のタイトルの付け方が素晴らしい!

ショーは、ダイモンがトップ時代に、「凱旋門」と併演作。残念ながら私は観劇してないので、お初ではありますが、

めちゃくちゃ良かった!

めちゃくちゃ全ツ向きのショー!

間違いなく全国で楽しまれる喜ばれるショーだと思う。

初日だったせいか、客席が熱い熱い!手拍子が熱い!

しかも、ラテンものだから組子も客席も更にテンションがアゲアゲ!

アーサの歌い上げる歌い方が圧巻過ぎて、テンションが更に更にアゲアゲ!

ラテンと言えばの名曲が目白押しで、特にヤンさんお馴染みのタンゴ曲が最高だった。振り付けはヤンさんだったかな??

カーテンコールでは、2回目でアーサがテンパってる感があって新鮮!あやちゃんがフォローしていて頼もしい限り。

お芝居もショーも本当に素晴らしかった。

これからご覧になられる方はお楽しみに!

1階席の方は更にお楽しみに!







カム・フロム・アウェイ

2024-04-08 20:23:00 | うらけん
ぶっちゃけ書くけど、この作品、ミュージカル界の主役級の名だたる方々だから成立するんであって、私に限って言うと、全く存じ上げない方々だったら脳内カオス状態になってたと思うよ。

名前で呼び合ってくれなかったら、誰を演じているのかさっぱり分からなかったよ。それくらい

役替りが激しい!!

主役級の方々だからこそ、その個性とスター性が生かされた、椅子だけで場面転換を行うだけで観客に想像力を働かせる、これぞ究極のエンターテイメント作品だと言えると思う。

この作品は、まるで、都会の夜空みたいにネオンと排気ガスで汚れた空気の中では限られた星や星座しか見えない世界観ではなく、車も走らない自然豊かで空気が澄み切った、私の知る限りでは、白山の山頂から望む夜空一面を埋め尽くす数多の星々の中から星座を見つけ出すような世界観を感じた。

一人一人は、シリウスやベカ、アルタイル、ポルックス、アンタレス…といった名前を持つ一等星ではある。でも、名前のない数多の星々の中ではその輝きは紛れてしまうけども、輝きは一等級。

名前がない無数の星々も演じながらも名前がある一等星を演じ、メッセージという星座を作っているようなイメージ。

主役級で実力とスター性がある方々だからこそアンサンブルでもキャラが立つが、メインを演じると更に個性と輝きが増す。

誰もが主役で誰もがアンサンブル。人生と一緒。

本来なら2時間半で上演してもおかしくないような内容を100分に凝縮し、1分1秒、1分じゃ遅すぎるな、秒単位で狂いが許されない緻密に練られたステージングとスピード感。

舞台装置がド派手演出のスペキュタクルなエンタメ作品とは違う、12人の主役級の役者の方々が、椅子だけで場面転換を表現しながら、100分という短い時間の中で、メインの役柄とアンサンブルの役柄合わせて100人以上の登場人物をノンストップで演じ分け、歌い動き回るなんて!

マジ凄ごすぎる!

1階席だったので舞台の床が見えなかったけども、もし2階席から観たら、バミリの数がどれくらいなのか気になって気になって仕方なかった。それくらい椅子移動が激しかった。しかも盆が回る回る!

スポットライトが当たっている方についつい意識を向けていたら、いつの間にか気付いたら椅子の位置が変わって次から次へと場面チェンジしているので、ステージングの抜かり無さと1秒でも狂ったら流れがストップするんじゃないかくらいのスピード感があった。

100分だからこそ、必要とされる緊張感と集中力。キャスト陣の集中力とイメージ力、そして表現力が試される前代未聞のミュージカル作品でしたね。

マジ圧巻!

ということで、梅田日新しく出来たSKYシアターMBSに行ってきました!

こんなこと書いたら申し訳ないですが、新宿の某劇場に比べたら見易いわ、座席もいいわで設計者のセンスが本当に素晴らしい!この客席なら六平さんも文句言わないと思う。藁

日生劇場のゲネ?初日?ダイジェストをYouTubeで観たときに、キャスト陣の呼吸が合った統一感と秒単位の瞬時の切り替えに魅了され、なにより、浦井氏と万里生氏の2度目?の共演がまさかのゲイカップルということで、興味倍増、増し増しに惹きつけられたので(笑)観てきました。

最初に視覚的な感想しか書いていませんでしたが、この作品のメッセージは、100人いたらきっと100通りのメッセージを受け取るであろうと言ってもいいくらい、12人のキャストが演じる100人の登場人物の人生観のどれかに琴線が触れるのではないかと思った。

間接的ではあるが、9.11同時多発テロに関わった方々の、我々日本人には知る由もないテレビでは報道されていない(多分…)裏側。

9.11を題材にした作品ということで、犠牲者とその家族の物語と勝手に思い込んでいましたが、

ハイジャックされた飛行機ではなく、アメリカ着陸を拒否された飛行機とその乗客トータル約7000人が着陸したカナダのニューファンドランド島にあるガンダーという国際空港がある町。

ガンダーの地に導かれ降り立った者達の運命の出会いと別れが描かれている。

ハイジャックされた以外の飛行機がアメリカ上陸封鎖のためカナダに着陸を余儀なくされていたなんて今まで知らなかった。上陸封鎖=欠航だと思っていたからね。確かに、ハイジャックされた飛行機以外も同じ時間帯にアメリカに向かってたはずだからね。

それはさておき、

スピード感があるから台詞やシーンを咀嚼する時間がない中で、最後まで印象に残ったのは、瞳子さん演じるダイアンの台詞と万里生氏演じるイスラム教徒、そしてモリクミさん演じるお母さんの息子を想う気持ちでしたね。

さすがに浦井氏と万里生氏のゲイカップルは…、それより、加藤君が一瞬でかっさらっていった感があるけどね(笑)

瞳子さん演じるダイアンの台詞にあるように、9.11があったからこその皮肉?運命の出会い。そして、モリクミさん演じるお母さんと息子との悲しき別れ。浦井氏と万里生氏演じるWケビンの必然的な別れ。

万里生氏演じるイスラム教徒の人種と宗教故にテロ組織と同一視されてしまう憤り。

濱めぐさん演じる女性パイロット役は、仲間のパイロットがハイジャックの犠牲者ということもあって、自分もパイロットとして、また1人の人間として職務を全うする信念がある。

飛行機に乗っているのは人間だけでなく、猫や犬そして猿などのペットも同様である。シルビアさん演じる動物愛護団体の厚い保護精神も描いている。

いつまでガンダーに居座らないといけないのか?いつになったらアメリカに戻れるのか?乗客の不安以前に、なぜガンダーに到着しなくてはならないのか、乗客はその理由も分からないままガンダー空港に到着する。これに関しては電話ができる携帯を持ってるのになぜなのか疑問なんだけどね。情報を知ったらすぐに噂が広まると思うんだけどな…。

それはさておき、様々な感情が交差しながら、アメリカに帰れる日を待つ乗客と町の人々との交流が描かれている。

正直なところ、もう少し時間をかけて描いてくれたらもっと一人一人を理解して、感情移入もできたと思うんだけどね…。

それにしても、こんなにも脳みそをフル回転して観た作品は久々かもね。

目まぐるしく展開して、キャスト陣は本当に大変だったと思う。

本当に贅沢なキャスティング。

超久々に拝見する方々や、お馴染みの方々だけども、

皆さん、主役級でスター揃い!

ちえちゃんも加藤君も、モリクミさんも濱めぐさんも、禅さんも吉原さんもコロナ前以来かも。

ちえちゃんの、たまに聞こえてくる関西訛(あえて関西弁とは書かない)がツボだった(笑)

瞳子さんは宝塚OG関連でお見かしますが、演技は超久々。

去年は、浦井氏、ゆうみちゃん、シルビアさんはストレートプレイで、さとしさんは「ムーラン・ルージュ」、万里生氏は「GUYS&DOLLS」以来か。

それにしても、万里生氏の自己アピールというか芸達者ぶりが凄まじいな。最初の頃は優等生のイメージしかなかったのに、フランツもNNジョンソンも優等生キャラをぶっ壊す破壊力が凄かったしな。いやー、紳士なフェルセン役が懐かしいわ(笑)

逆に浦井氏は、珍しく正統派2枚目だったね。声の出し方は新国立の時と同じで野太い声だったし。キャラ設定は圧倒的に正統派だった。バートラムは完全にたらしやったからな。

「GUYS〜」では、浦井氏と万里生氏はそんなに絡みはなかったと思うが、今回はまさかのカップルだとはね!ま、それほど濃いカップルではなかったけどね(笑)万里生氏に関しては、圧倒的にイスラム教徒の役が良い。

いやー、ホンマ、めちゃくちゃ豪華キャスト陣!それだけでも眼福眼福!歌も素晴らしいから耳福耳福!

皆さん、ミュージカル俳優さんではあるけど、やっぱりストレートプレイもできる俳優さん方でもあるのでお芝居も表現力も自然で上手い!何よりスターオーラが半端ない!

だからこそ成立する作品だと思うよ、やっぱり。何度も書きますが、見ず知らずの方々だったら、同じ顔にしか見えなかったと思う。完全に脳内カオス状態になっていたと思う。少なくとも私は。それこそ、目まぐるしくただ時間が過ぎていくだけか、置いてけぼり感を食らって寝てしまうかのどちらかだと思う。ワタクシ、爆音でも寝られるので(笑)

場面転換も自分たちで行わないといけないし、観客にとってはたった100分だけど、演者にとっては息つく暇もない、それこそ脳内フル回転で大忙しの100分だと思う。

でも、すでに東京公演も終えて何十回とやってきただけあって、滴る汗も焦りも微塵もなかったように感じた。手際良くこなれた印象。実際は本当に大変だとは思うけどね。

これだけのメンバーが揃うなら、王道のミュージカル作品も観たいね!

たとえば…

骨と軽蔑

2024-04-07 20:39:08 | 舞台
ぶっちゃけ書くと、野田さん、いやいやいやいや、ケラさんにしては珍しく内容が薄かったね。特に第一幕ね。

第一幕は、まるで漫才のような掛け合いで時間が過ぎていった感があったけど、第二幕で本筋が見えてきた感じ。

ラストは、ケラさんお得意のアイロニーたっぷりのオチだった。

全体的には、ケラさんお得意の姉妹モノの寓話作ではあったけど、第一幕は比較的コメディー色が強く、第二幕の後半に押しかけてくる悲劇性がアイロニーにつながっていて、ケラさんらしいと思った。

内容はさておき、豪華キャスト陣を見てるだけでも眼福眼福!

漫才のような掛け合いは、個人的には嫌いではない。むしろ、結構笑わせてもらった。本当は大声で笑いたかったけど空気的には厳しかったのでトーンを抑えて笑わった。

第二幕にケラさんが伝えたいメッセージが集約されていたと思うので、トータルではご破算って感じかな。

ということで、大阪大千秋楽に行ってきました。

いやー、本当に、りえちゃん筆頭にテレビや舞台で引っ張りだこの豪華キャスト陣の華麗なる競演は眼福でございました。

キャラも濃いし、皆さん笑わせてくる。

小池栄子さんなんて、「グッド・バイ」に近いキャラやん!?最高やわ!(笑)

犬山イヌコさんは、もう間が良すぎ!

りえちゃんと杏ちゃんは、まさに漫才のような掛け合い。息もピッタリ!まあね、何作も共演してるもんね。

りえちゃんはしのぶさんと同じで、映像の時と舞台の時で声の出し方が変わるから、その舞台声が好き。

堀内敬子さんは、まさかの2役。登場シーンから笑わせてくる。これは設定の勝利やね。

峯村エリさんは、アル中の天然キャラ。からの第二幕のギャップがまさに女優の技!あの髪型凄いな!藁

水川あさみちゃんは、笑わせてくるというより、いい声だからキレキャラの怒鳴り声が素晴らしかった。

舞台セットが、屋敷内でもあり屋外でもある作りなので、見せ方によってシチュエーションが異なる。それを逆手に笑わせてくるなんて!

ギャグだらけ!

だけど、悲しいことにバカ笑いさせてくれない空気が客席に漂っている。大阪なのに!藁

それはさておき、

時代背景が内戦真っ只中で、軍事産業で財を成している邸宅内外の物語。

数多の戦争で多くの男が戦死し、今では女性だけでなく子供たちも徴兵されている時代。

第一幕は、大砲の音が印象的なので、内戦中というのを強く提示しているのは分かるし、なおかつ軍事産業で財を成している一家族の物語なので、どのようにこれらが伏線になっているの気になりながら観てたけど、一向に家族の物語と内戦が絡んでこないんよね。

謎に笑わせてくる演出が際立っていて、第一幕の80分は全くケラさんの意図が見えてこないんよね。ただコメディーをやりたかったのか?未来を描きたかったのか?女性の不幸を描きたかったのか?単純にファンタジーを描きたかったのか?豪華キャスト陣で何を見せたかったのか私にはわからなかった。

ただ、犬山イヌコさんを筆頭に客席を笑わせようとしているのは分かるけど、物語としてその笑いが何を意図しているのか見えてこない。

時代背景も登場人物の関係性も感情も何に繋がっているのか分からない。ただ単純に漫才のような掛け合いで楽しませてくる脚本なのか…。

豪華女優陣の華麗なる競演だけでも十分楽しくはあるけど、いかんせんケラさんの意図が見えてこない。第一幕ね。

第一幕ラストで屋敷の主が亡くなったことが大きなうねりとなって第二幕に突入していくわけですが、

第一幕はなんやったん?と言いたくなるくらい、無駄に長い第一幕に対し、第二幕からは展開が早くなる。

第二幕にケラさんが伝えたいこと表現したいことが集約されてた印象。

第一幕は、豪華女優陣の長い長いイントロダクションって感じだったね。

第二幕になってやっと、りえちゃんと杏ちゃん姉妹の絆や、女性の幸せ、しいては人間の幸せとは何か?人間の傲慢さも含めて、人間の都合で狂わされている者たちの怒りなど、寓話的にアイロニーたっぷりに描いている作品だったことに気付いた。

第一幕の堀内敬子さんの登場シーンがまさか第二幕の伏線になっていたとは思わなかったし、

主人に虐待?される妻(峯村エリさん演じる)が第二幕では軍事産業で牛耳る女主人になっているし、

第一幕では、主人の秘書兼愛人(水川あさみちゃん)が第二幕では女主人に仕え、挙句の果ては戦地に赴く。

第一幕では、りえちゃんと杏ちゃん姉妹は同じ男を好きになっているので姉妹の確執がある。第二幕になって誤解?が解け姉妹は仲良くなる。

第一幕では、りえちゃん演じる作家のファンとして登場する小池栄子さん。ある意味、家族や姉妹の関係性に更に深い溝を掘るような存在だったけども、第二幕では溝を埋める役割を果たす。と思ったら、ごくごく小さな過ち、むしろ、普通に考えも犯罪になるような過ちではないが、助けた虫を鳥に食べさせてしまうというごくごく小さな過ちが屋敷の住民に不幸へと導く。

犬山イヌコさん演じる家政婦は、第一幕も第二幕も安定のコメディーリリーフ。見事な間で随所で笑わせてくる。

ラストのアイロニーは、自分の幸せしか考えていない者たちへの報復。

軍事産業で財を成している者たちへの報復とも感じとれる。

ほんま、そう!

人殺しで金儲けすんなよ!って言いたくなる。

戦争が勃発すると軍事産業の株が値上がりするからね。

全くもって理解不能!

株式ってなんやねん?トレーダーってなんやねん?人の労働と命を紙切れやネットで取引すんなよ!お前らも汗水流して働け!と言いたくなる。

と思うと、

決して悪くない作品。むしろ、素晴らしい!と言いたくなる。


今日は大千秋楽ということもあり、カーテンコールにケラさんが登場されました。久々の生ケラさん!

ケラさんからも挨拶があり、野田さんの名前を出して登場されました。藁

昨日6日は、りえちゃんの誕生日でもあり、そのことを報告されてました。ちなみに、インスタのストーリーでその様子がアップされてました。

りえちゃん、お誕生日おめでとう!

ケラさんも仰ってましたが、本当にスケジュールが合わせにくい豪華なキャスト陣でしたね。

眼福でございました!