SPを考える時に、500Hz以下の帯域で全体の70%以上の「音」が出て来る事を知っておくと、ウーハーの重要性が理解できると思います。
一般的なSPではシングルウーハーのシステムが多いですが、一部にはダブルウーハーのシステムも有ります。それぞれにメリットが有りデメリットも有ります。音質面に限ってもメリット・デメリットが存在します。ダブルウーハーの場合は縦に並べるモノと横に並べるモノが有り、音質の性格が変わって来ます。
ダブルウーハーは低域の最低域を延ばす様に捉えられがちですが、最低域を延ばしたいならシングルウーハーの方が延ばせると思います。ダブルウーハーでは再生帯域が重なり合いますので「量感」を膨らませる方向に働くように感じます。もちろんエネルギー感も重なり合いますので「ガッツ」の有るサウンドになる傾向が有ります。
ウーハーを縦に2発並べる方式はシングルウーハーに似たサウンドになる様だと感じています。2つのウーハーの中間に音の中心が来る点は横並びも一緒ですが、音の回りこみ効果が出てきますのでヌケの良いサウンドになる傾向が予測できます。
これに対して横に2発のウーハーは重心が低く、重低音を出せるウーハーが使われるようです。バッフル面積が大きく取れるので「前に音を出す」様な傾向のサウンドに向いています。
個人的にはシングルウーハーのバランスの良さを採用しています。オリンパスの箱はパッシブコーンを使ったS8Rが有名ですが、パッシブコーンの「反応の鈍さ」を嫌いました。またオリンパスの箱は思いのほか容積が小さいので、シングルウーハーの方が質感の高いサウンドを出せると思いました。オーディオを40年近くやっていますと「迫力」よりは「バランス」の良さの方が重要と思っています。
シングルウーハーもダブルウーハーも、組み合わせるパワーアンプのドライブ力や再生帯域で、聴き分けが出来ないくらい近似のサウンドにすることが出来ます。