ALTEC #612A(604E)モニターは、1960年代のスタジオモニターとして有名でした。100dbを越える様な大音量でモニタリングされていたと聞いています。一度は使って見たいSPの一番手でした。ALTEC 604系のスピーカーユニットは色々と聴き比べをして来ました。

①ALTEC #605A・・・低域は同社#416系と同じコーン紙を使って有ります。
605Aを612Aエンクロージャーに入れて鳴らして見ましたが、この箱とは相性が今一と思いました。クレッシェンド箱の様にもっと大きな箱が合いそうだと思いました。
②ALTEC #604E・・・低域は同社#515B系のウーハーと同等との事でした。605Aとの比較では、全てに一段上のサウンドを出して来ます。非常にシャープに引き締まったサウンドで、ソフトやアンプの違いに非常に敏感に反応します。612A箱を使う場合、質の高い管球アンプで大音量再生できればその真価が出て来るだろうと思いました。604Eは非常に完成度の高いユニットだと思います。
③ALTEC #604-8G・・・この機種は#615箱で2セット、620箱で3セット作りました。低域~高域まで非常にバランスのとれたユニットです。こちらも非常に完成度の高いユニットです。
上の箱は#615箱です。38cmユニットにしては非常にコンパクトな箱です。長らく事務所のモニターSPとして使って来ました。重低音は出ませんが軽く弾むサウンドで非常に聴き易く、またソフトやアンプの変化を良くとらえてくれました。620A箱を使えば不満ない低域が出て来ます。
④変わった所ではウーレイのスタジオモニター#813Bです。本来はスタジオのやや高い位置に設置して同軸ユニットを下にして使う様です。
同軸ユニットはやや短くなり、ALTEC 604-8Hが原型の様で、6セルホーン部がブルーのラジアルホーンに変わっています。
結局息子の自宅で使う事を前提に購入しましたので、同軸ユニットを上にして使う用に変更しました。箱が大きいので置き場所が大変です。同軸ユニットは604-8Hと同じく高域が18000Hzまでしか出ていませんので少々物足りなくなります。その為、質感がホーン型に近いリボン型でエネルギー感のあるピラミッドのツィーターに高域をカバーさせて使っていました。低域は専用ウーハーが有りますので、非常に豊潤なサウンドでした。
後日、後に有る「RCA箱システム」(D130のWウーハー+#375+HL90+ハイルドライバー+LE85+小型蜂の巣+リボン型2セットの組み合わせ)を息子宅に持って行き聴かせた所、あえなくウーレイモニターは放出されました。全然サウンドのグレードが違うとの事でした。