続きです。
「吉野家なんか無いよ。北海道人は牛肉なんか食べないから・・・・・・」と言われ、何言っているんだこのマスターと思いましたね。
だって北海道と言ったら牛でしょ。誰だって北海道と言ったら牧場でホルスタインが"モォーーー"と鳴いている風景が浮かんできますよ。
いいやまて。思い当る事がある。そう言えば私の母親の実家で大昔に牛を飼っていたんです。畑を耕す作業をやらしてたんですね。
母の実家にとって牛は一緒に農作業をする家族みたいなもんだったそうです。しかしある日、何故か牛小屋が火事になり、母の父、つまり私の爺様が燃えてる牛舎の中に飛び込み牛を逃がそうとしたのですが、牛はビクとも動かない。爺様は最後まで諦めずに牛を引っ張ったんですが、牛は全然動かずダメでした。
牛って恐怖に怯えるとフリーズしてしまう様で、爺様、諦めて泣く泣く一人燃える牛小屋を脱出。焼けた牛小屋の残骸の中には変わり果てた牛の姿があったそうです。
当時、食糧事情は悪く、その焼けた牛で美味しい思いは出来た訳ですが、一緒に労働して来た仲間であり家族であった牛を食べるなんて事は出来る筈もなく、農地の一角に丁重に埋葬したんだそうです。
その事を思い出した私は、「牛と一緒に北海道を開拓した道産子にとって、牛は家族同然なんだろう。それだから食べれない。否、食べらないんだ」と即座に解釈。何か悪いこと聞いちゃったかなぁーと思っていたら、今度はマスター、「牛肉食べると頭がおかしくなるからね・・・」と言うじゃないですか。
「なぁーんだ、牛は家族だからじゃないんだ」と安心しましたが、「牛肉食べると頭がおかしくなる」なんて、聞き捨てならないですよね。
それで「どうして頭がおかしくなるのですか」とマスターに尋ねると、「昔からそう言われているんだよ」と。
更には「ヒ○ジはもっと頭に悪いよ、パーになるよ」と言いはります(何とか食肉組合からクレームが来そうなので暈します)。
それはおかしいですよね。だって北海道といえばジ○ギ○カ○料理が有名じゃないですか。
そこで、「じゃ何でサッ○ロ○ール園でジ○ギ○カ○料理出しているんですか。おかしいでしょ」と私。
そしたらマスター、「そんなとこで何も知らずジ○ギ○カ○食っているのは本土の人間だけ・・・」なんて言うのです。確かに言いましたよ。
何かね、田舎者だと思って馬鹿にしているのかなぁーとチョット不機嫌になった若い頃の私は、もうこれ以上話ししてもしょうがないと思い話をやめて、このドライブインは一泊で後にしました。
本当は私、「木之内みどり」のファンなので、木之内みどりの故郷である小樽には、もう少し居たかったんですがね。安い回転寿司屋があったら入りたいと思っていたのですが、残念でした。
つづく。