諸行無常なる日々。或いは鬼渡神と神々の源流。

呪われた家系を生きる私の人生観や日常。それに立ち向かう為の神道的な考え。そして因縁の鬼渡神、神々の源流について考えます。

熊野の本地、五衰殿。 その10

2015年05月29日 13時13分12秒 | 神道

続いちゃいます。

五衰殿が処刑される場面も注目のポイントがあります。

先ず、首を切られる前に髪を結い直しています。しかも十二に分けてです。話では「一ゆいをは、この山の神のこふうにまいらする」と書かれてます。約しますと「熊野の山に祀られている十二の神々に奉る」となります。つまり熊野には十二の神々が五衰殿の前に祀られている事になります。

熊野の別名は十二所権現。十二柱の御子神、つまり王子が祀られている事を意味します。この神々の為に十二に分けて髪を結った事になるのでしょうか。

仏教では仏門に入ると髪を丸めなければなりませんが、その事を意味しているのでしょうか。

神社仏閣では女性の髪が束ねて奉納されているケースがあるそうですが、髪は神に奉納すべきものだから毛ではなくカミと言うのでしょうかねぇー。分からないですねぇー。

それにしても12と言う数字、どの様な意味があるのだろう。十二史。一年は十二ヶ月。一日は24時間。それを12で午前と午後に分けている。十二単。西洋では12星座。何か理があるのは間違いないと思いますが、こういった数字の理屈について私は疎いので全然分かりませんわ。

話を五衰殿の処刑に戻します。

次にとうとう「とうはつの玉剣」で首を切られる訳ですが、剣を振り下ろせなかった。その間に五衰殿は「産まれ月ではなくとも今すぐ産まれてくださいまし」と言いまして王子を出産した。これは契約、つまり「うけひ」。神に対しての契約です。

「うけひ」で子供を産んだ神と言うと、天照大神と須佐男尊。そして木花咲耶姫ですね。特に木花咲耶姫は屋敷が燃えている中で海幸彦、山幸彦らを産んでいます。お腹の子が不義密通で授かった国津神の子ではなく、天孫族の子である事を証明する為です。

五衰殿も妊娠五ヶ月で五体満足な王子を産んで見せた。これは紛れもなく「うけひ」でお腹の子が善財王の子供である事を証明したと言えます。

ここでピンと来る方もいると思いますが、この五衰殿のストーリー、大山祇神の娘達のストーリーに酷似しています。

五衰殿は最初、醜くて善財王に見向きもされなかった。これはニニギノ命に返された(結婚を拒否された)岩長姫を示しています。

そして五衰殿は千手観音に祈願し美しくなり、善財王の愛を勝ち取った。そして子供を宿し、その子供が不倫密通の子供ではないかと疑われた。それを証明する為に「うけひ」を行った。これは木花咲耶姫ですね。

「うけひ」で宿した子が善財王の子である事を証明したにも関わらす、五衰殿は処刑された。これは名前からイメージ的に木花知流姫が思い浮かびます。

処刑された事で産まれたばかりの王子と引き離された。これは八岐大蛇に7人の娘を奪われた手名稚命となりますね。

ここまで来ると五衰殿が先か木花咲耶姫が先かは分かりませんが、同じ源流のストーリーとしか思えません。

五衰殿は熊野権現でもあります。もし五衰殿が瀬織津姫であるなら、木花咲耶姫の姉妹達も瀬織津姫と同神である事を物語っていると思います。

 

続く。

 

 

 

 

 

コメント (2)
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