続きです。
さて、その物件は近々に外壁塗装をしなければならない。実は大家の会でDIYを教えていただいているメガ大家さんの会社に頼むつもりでいた。このメガ大家さんは信頼できるし、国からの助成金や火災保険からの保険金にも詳しい。安く外壁塗装が出来る。
私は言った。「今は国からの助成金が出るし、保険会社からも修理代がでる。その関係で外壁塗装するつもり」だと。
そしたらその営業マンは「うちはこの地域には実績がない。実績がないから受注が増えない。それでキャンペーンで儲け無しで受注し外壁塗装の実績を増やしたいと思っている。今ならその定員に入れる。助成金や保険金が無くても安く外壁塗装が出来る」と。
以前の私ならその嘘を見破っていたと思う。親にも言っていた。「電話で営業を掛けてくる業者は全て悪徳業者だ」と。
現に母親もお得に弱い。「タダで掃除をしてやるから、ロケットエンジンと同じシステムのモーターのドイツ製掃除機を見てくれないか」と言われ、うちに呼んだ。私は知らなかった。
その営業マンは「この掃除機、こんな風に踏んでも壊れない」と言い、掃除機の上に立つ。私の母親は驚いた。買う気満々になっている。
確かに日本の掃除機とは違う。ボディはステンレス製で丈夫そうだ。当時の日本製掃除機よりも吸気音も静かだ。
でも私は冷静。「何で掃除機の上に立つ必要があるのだ」と一気に不信感が芽生えた。
その掃除機で部屋の掃除を始める。灰色の粉の様なにゴミが大量に取れた。
営業マンは「このゴミは人間の垢とダニです。日本製の掃除機はこんな細かいゴミまでは取れません」と言う。
これには私も驚いた。しかも掃除した場所を何度も掃除した。その度にゴミが出た。尋常ではない粉ゴミが。
でも、私は不審に思った。何で粉ゴミしか取れないのだ。カーペットを掃除すれば髪の毛や繊維ゴミも出る筈。それなのに粉ゴミしか出ない。これは粉ゴミを最初から仕込んでいるのではないか。
私の母親はその掃除機の性能に驚嘆した。買う気満々。でも私は怪しさ満々。それで聞いた。「御いくらするのか」と。
営業マンは「36万円です。ローンも出来ます。毎月1万円で3年払いなら買いやすいです」。
何を言うか。日本製の掃除機なら1万円しない。そっちの方が買いやすいわ。
私は悪徳ボッタクリ会社と判断し、「あまりにも高過ぎる。日本制なら1万円しないでしょ。そんなに毎日掃除する訳じゃないし、こんな高いの必要ないよ。1万円なら買っても良いけど」と言った。
この商法、部屋を掃除して断わりずらい雰囲気に持っていくやり方だ。しかし私は新聞販売店の息子。断られるのには慣れている。鬼と対峙するが如くの信念で頑として断った。
営業マンは渋々帰った。私は母親に言った。「タダに騙されては駄目だ。営業電話や訪問販売は全て悪徳業者だ。騙されるな」と。
その話、妹夫婦にしたら、夫の実家で購入したと言う。兄夫婦に子供が産まれ、ダニが怖くて購入したらしい。馬鹿だ。
妹夫婦もその後、横浜市の辺鄙な場所の崖みたいな土地の建売住宅を5000万円で買っている。否、当時は金利3%。35年ローンなら1億円だ。今なら2000万円の価値もない。10年後は1000万円程度になるかも知れん。
勉強が出来る馬鹿なのは、家系だったんだなぁー。サイコパスだし。
続く。